きのう、市立美術館を訪問後、この掲示板で教えて頂いた「会社員客が多い、渋い伝統茶店」のことを思い出したので立ち寄ってみました。

通りに面したビルの２階ですが、階段を上がってみると、営業していない感じの薄暗さです。でも、ドアを押してみると開いたので、入ることにしました。
これまた薄暗めの店内は事前情報どおりの渋い雰囲気で、先客２組は、いずれも会社員風の中年男性です。入口近くの席では、中年女性がクリの皮を剥く作業中です。赤いビニールソファに座り、「冷十全大補茶（冷・温を選べるので、冷を選択）」と「ブルーベリー茶（これは『冷』だけのようです）」を注文しました。

やや冷たいお茶（ドゥングレ茶？）を飲みつつ待つこと約５分。生クリ、ギンナン、レーズンの小皿を添えた注文の品が出てきました。

私が頼んだ十全大補茶は、苦みはあるものの快い程度で、甘みも甘ったるくはなく、シナモンの香りが効いていて、クルミは香ばしくカリッとした歯応えで、美味でした。
ブルーベリー茶は・・・飲んでいないので分かりません（写真は撮りましたが）。甘さ控えめで、美味しかったらしいです。
２人ともお茶を飲み終えた頃に、リンゴ味のシャーベットが出てきました。ちょっとシャリシャリした食感で、これも良かったです。

日本語は通じませんが、日本人客もそれなりにいるようで、日本の旅行本の紹介記事がテーブルのガラスの下に敷かれていました。その記事に「忠清道出身の女主人が」とあるので、忠清道のどこか訊いてみると「礼山（イェサン）」だとのことでした。

全席禁煙のようです。卓上に「濡れた紙を敷いた灰皿」があったので、「禁煙だが黙認」ではなく、本物の喫煙可と思われます。
私も連れも煙草が苦手なため、店内の先客の喫煙姿に気付いて「げげっ」と思いましたが、時間が止まったような雰囲気に似合わず、換気が効いているようです。タバコの匂いは特に感じられませんでした。

伝統茶は「特・十全大補茶」を除くとほぼ全品6000ウォン。コーヒーよりは若干高めですが（仁寺洞など観光地の伝統茶店よりは安めです）、オシャレな禁煙カフェから締め出され、かつ健康も気になる中高年サラリーマン達の「一服」の場なのかもしれません。