「ポッキ(뽑기)」は、韓国のカルメ焼きを指し、媒体によっては「ポプキ」と表記されたりもします。子どもたちが放課後、露店で型抜き遊びをし、崩れることなくきれいに取れると店主がもう一つおまけをサービスしてくれるなど、韓国人にとって、小さい頃の想い出の駄菓子のひとつ。「タルゴナ」とも呼ばれています。 |
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かつては小学校前などで見かけましたが、現在は屋台や露店の多いエリアで、トッポッキ屋台やホットク屋台といった、おやつ屋台のひとつとして見かけたりします。 |
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針などを使用 |
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型に沿って少しずつ削っていきます |
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内側の模様が崩れることなく取れたら成功 |
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<ポッキとタルゴナの違い>
「ポッキ」は、砂糖を溶かした後、重曹を加えて作る砂糖菓子です。固まる前に、星やハートなどの模様の型を押しながら、平べったく伸ばし、冷めたら完成です。
「ポッキ」とは、選ぶ・引き抜くという意味を持つ韓国語で、型抜きゲームの事を「ポッキ」と呼んでいましたが、時代の流れと共に型抜き遊びが少なくなっていき、遊びをする・しないを問わず、この砂糖菓子自体が「ポッキ」と呼ばれるようにもなりました。  「ポッキ」 |
「タルゴナ」は、ブドウ糖を溶かし後、重曹を加えて作るお菓子で、「砂糖よりも甘いね(설탕보다 달구나・ソルタンボダ タルグナ)」が、名前の由来になったと伝えられています。型を付けるには不向きでしたが、「ポッキ」のように平べったく押すお店もあれば、塊のままにするお店もありました。
しかしながら、「タルゴナ」はカビが発生することが多いため、80年代に販売中止となり、その後、ブドウ糖ではなく、砂糖で作るものが主流となったため、80年代以前の世代はブドウ糖ベースの味を、80年代以降の世代は砂糖ベースの味を幼少期に食べて育ちました。
その時点から「ポッキ」と「タルゴナ」は同じ材料を使った砂糖菓子となり、型抜き遊びのみを「ポッキ」と呼ぶのが本来の言葉ですが、徐々に曖昧になっていき、「ポッキ」も「タルゴナ」も「型抜き遊びをする砂糖菓子」と認識する人が増えていくようになりました。 |
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<2020年に「タルゴナ」が復刻流行>
カリっとしたタルゴナとミルクティーの相性が絶妙な「タルゴナミルクティー」や、「タルゴナラテ」が2020年に大流行しました。これは砂糖をベースの味で育った店主たちが手掛けたもので、80年代以前のブドウ糖ベースの「タルゴナ」の味の記憶が残っている世代の間では当時の味とは異なるということで、一部で世代間論争が起きたりもしました。
若い世代からも昔の味を食べてみたい!といった声があり、一部の店舗ではブドウ糖ベースのタルゴナを復活させ、以前の味を復刻させたりもしています。  「タルゴナミルクティー」 |
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<「イカゲーム」で人気再燃>
2021年9月、動画配信サービス「NETFLIX(ネットフリックス)」で全世界に配信され、世界的なヒットを記録した話題作「イカゲーム(韓国語でオジンオゲーム)」では、劇中の2つ目のゲームに「ポッキ」が登場。
ドラマ放送後に、全国各地のカルメ焼き店が人気に。ソウルの繁華街・明洞(ミョンドン)の繁華街でも新たにカルメ焼き店が登場するなど話題を呼んでいます。 |