粉食(プンシッ)とは、チヂミやマンドゥ(蒸し餃子)、ラーメンといった小麦粉などを主な材料として作られる、いわゆる粉もの料理のこと。また一方で、粉ものではありませんが、キムパッ(海苔巻き)をはじめとした軽食類を指すこともあります。 |
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街中にある粉食店(プンシッチョム)と呼ばれる軽食店では、キムパッ(韓国海苔巻き)を中心に、麺類やご飯類など手軽に食べられるメニューが盛り沢山。価格も5千ウォン前後と専門店に比べてリーズナブルです。朝食や昼食、夕食はもちろん小腹が空いたときにもぴったりです。粉食のメニューは多様ですが、代表的なものをご紹介します。
◆麺類
韓国の麺料理の種類は様々ありますが、中でも小麦粉を使った麺料理を中心にピックアップしました。 |
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・カルグクス(칼국수/韓国手打ち麺)
小麦粉で作った、きしめんのような平たい麺が特徴。魚介や肉類でとったスープが、のど越しの良い麺によく絡みます。好みで卓上に置かれていることが多い、薬味を加えて辛さを調節します。 |
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・スジェビ(수제비/韓国すいとん)
水で練った小麦粉を手で平たくちぎって作る韓国版すいとん。肉や魚介類のスープで煮込みます。つるんとした喉越しと、弾力のある食感を楽しめるメニューです。 |
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・チョルミョン(쫄면/チョルミョン)
でんぷんが原料のコシのある麺に、少し酸味のあるコチュジャンダレ、もやし、きゅうりなどの野菜を盛った冷製麺。甘辛ダレとシコシコ麺がよく合う、さっぱりとした一品です。 |
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・ラーメン(라면/ラミョン)
韓国のラーメンは、インスタントラーメンが一般的です。粉食店では、チーズ入りのチーズラーメン、韓国の餅入りのお餅ラーメン、餃子入りのマンドゥラーメンなどがあり、キムパッ(韓国海苔巻き)と一緒に注文する人も少なくありません。 |
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・うどん(우동/ウドン)
韓国のうどんは日本に比べて麺が、やや細め。だしは煮干でとることが多く、あっさりとした味です。具には、刻みねぎやカマボコ、あげ、てんかす等が入るのが一般的です。 |
◆おつまみ類
居酒屋や屋台料理、または一般料理店のサイドメニューに好まれる一品です。 |
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・マンドゥ(만두/蒸し餃子 )
「マンドゥ」は漢字で書くと饅頭となりますが、韓国では餃子のことをいいます。焼き餃子(クンマンドゥ)もありますが、マンドゥというと蒸し餃子を指すことが多く、お店によって丸い帽子型や耳型をしています。 |
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・ピンデトッ(빈대떡/緑豆チヂミ)
水でふやかした緑豆を挽いたものに、ねぎ、肉、牡蠣などの具を入れて鉄板で焼いたもの。 |
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・チヂミ(부침개・전/プッチンゲ・ジョン)
ねぎやキムチが入った韓国お好み焼きのこと。日本では「チヂミ」の名で親しまれていますが、韓国では油で焼いた食べ物全般を指す「プッチンゲ」、または小麦粉をまぶし焼き上げた料理を指す「ジョン」という名称が一般的です。 |
◆軽食類
この一品で食事にするも良し。旅行中に小腹が空いたときに軽く食べるも良し。使い勝手がよいメニューです。 |
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・トッポッキ(떡볶이/トッポッキ)
細長い餅を甘辛いコチュジャンソースで煮こんだ、韓国の代表的な間食メニュー。インスタントラーメンを加えたラッポッキ(ラーメン+トッポッキ)も人気です。 |
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・蒸しパン(찐빵/チンパン)
チンパンは、小麦粉で作った生地で餡子や野菜などを包み、蒸しあげたもの。日本と比べて大きめで食べ応えがあります。 |
◆その他
厳密には「粉食」には含まれないメニューですが、粉食店の多くではチゲ類やビビンバ、トンカツ、ご飯に炒め物を添えたトッパッと呼ばれるメニューなど、粉もの料理に加えて多様な軽食類が揃っており、合わせて紹介しましょう。 |
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・キムパッ(김밥/韓国海苔巻き)
一口大で食べやすいため、時間がないときの食事やお弁当の定番メニューとして親しまれており、粉食店のほか、コンビニ、屋台、道端でも販売しています。小麦粉を使った料理ではありませんが、手軽に食べられる軽食メニューとして粉食に含められます。 |
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・トンカツ(돈까스/トンッカス)
韓国語では「トンッカス」と発音するのが一般的ですが、サクサクとした肉厚の日本のトンカツに比べ、韓国のトンカツは、大きく薄めのものに甘めのソースをかけるのが韓国式。前菜にはスープが付き、トンカツの盛られた大きなお皿に、ごはんやサラダが少しだけ盛られて運ばれてくるお店がほとんどです。 |