「ソルロンタン」とは、牛骨をはじめ、牛の頭・足・膝・膝裏の肉・胸肉・内臓などをじっくり時間をかけて煮込んだスープ料理です。素材の旨味が十分に染み出た乳白色のスープは、コクがありながらも意外にあっさり。味はまったく辛くなく、辛い料理が続いている時の胃休め料理や、朝食・二日酔いの朝に食べたりと、観光客にも人気の韓国料理の一つです。韓国本場のソルロンタンは、一人前用の石鍋などに入って運ばれてくるので、韓国ひとり旅の、おひとりさまでも食べられます。 |
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朝鮮時代の前から民に振舞われてきた「ソルロンタン」。現在も伝統の老舗店から、24時間営業の人気チェーン店まで、多くのお店があります。具材は、薄切り牛肉と刻みネギが基本で、ご飯が付いてきますが、ご飯はスープの中に入っている店舗もあります。また素麺が付いてきたり中に入っている店舗もあります。 |
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キムチとカットゥギは必ずついてくる |
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中には素麺が入っているお店も |
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<ソルロンタンの美味しい食べ方>
スープを一口飲んでみて味が薄ければ、各テーブルに置かれた塩・胡椒、唐辛子などで自分好みの味に仕上げるのがお決まり。また、キムチとカットゥギ(ダイコンキムチ)は付け合わせの必需品で、これらをスープの中に入れても違った味わいが楽しめます。 |
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塩・コショウで味をととのえて |
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ご飯をスープにつけて |
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お肉やキムチと一緒に食べても美味しい |
<その他のソルロンタン人気メニュー>
マンドゥ(蒸し餃子)が入った「マンドゥソルロンタン」はボリューム満点。トガニ(牛アキレス・牛ひざ軟骨)が入った「トガニタン」は、コラーゲンがたっぷり入っていて女性客にも人気のメニューです。 |
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マンドゥソルロンタン |
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トガニタン |
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<ソルロンタンの由来とは?>
かつて新羅時代から朝鮮時代まで、王室が所有していた土地「先農檀(ソンノンダン)」で、大々的な豊作を祈願した「先農祭(ソンノンジェ)」といわれるチェサ(祭祀)が行われていました。
王が直接、犂(すき)を持って畑を耕しながら農業の大切さを百姓たちに伝え、祭事の後に役人や農民が一緒に食事する際に大勢に行き渡るようにと、牛肉鍋にご飯を入れて作ったのがソルロンタンの料理の始まりで、名前も「先農(ソンノン)」が変化したもの、という説もあります。 先農檀 |
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また、「先農檀」で畑を耕作しようとした世宗大王(セジョンテワン:1397~1450、ハングルの創始者)が、急な豪雨で身動きが取れなくなった時、百姓らが農事をしていた牛を捕まえ、その場で煮て空腹の世宗大王に献上したスープが設農湯(ソルロンタン)となったという説も語られています。
様々な説がありますが、1910年に朝鮮時代が終わりを迎え「先農祭」が廃止されると、祭事の時にふるまわれていた美味しい牛骨スープが、市内各地で庶民料理として広がり、現在のソルロンタンへと繋がっていきます。 世宗大王 |