韓国で2025年３月に「麻薬類含有不法医薬品搬入注意報」が発令されました。「麻薬類含有不法医薬品」と指定された該当医薬品は韓国に持ち込むことができません。

持ち込んだ場合は韓国税関での調査、あるいは処罰を受ける可能性があります。

「麻薬なんて関係ない」と思われる方もいるでしょうが、実は韓国で「違法医薬品」と指定された中に、日本からの旅行者が常備薬として持参する市販薬(鎮痛剤、咳止め、風邪薬)によく含まれる成分が入っています。

韓国に持ち込めない薬の成分は何か、該当する日本の市販薬にはどんなものがあるか、詳しく紹介します。

薬には説明書が添付されていて成分が記載されています。上記の４つの成分が含まれていないか、確認してください。

もし４つの成分のうち、ひとつでも含まれていれば、韓国には持ち込むことができません。

以下は、４つの禁止成分が含まれている日本の市販薬の参考です。

※かかりつけの医師や薬局に相談、または製薬会社の顧客センターに確認してください

【韓国に持ち込めない日本の主な市販薬】
・メジコンせき止め錠Pro
・新コンタックせき止めダブル持続性
・パブロンせき止めトリプル錠
など多数

・コルゲンコーワ総合かぜ薬
・新ルルＡゴールドＤＸα
・新コンタックかぜ総合ＤＸ
など多数

疾病治療のために該当成分を含む薬を服用している人は、韓国入国の前に届出が必要です。申請はオンラインでできます(韓国語、英語)。

韓国大使館のサイトに、申請に関する詳しい情報が日本語で案内されているので確認してください。

韓国大使館：自己治療用麻薬類医薬品の搬入許可オンライン申し込みに関するご案内
申請サイト：nedrug.mfds.go.kr/eng/index

また日本からの持ち出しに際しても届出が必要な薬があります。医師に相談のうえ、手続きを行ってください。

厚生労働省
【個人向け】麻薬・覚醒剤原料などを携帯して日本を出入国する方へ

※市販薬の持ち出し、持ち込みは届出の対象外です

取り締まりが厳しくなった背景には、麻薬類成分が含まれた違法医薬品の摘発量が、この５年間で43倍(韓国関税庁調べ)に急増したことが原因です。

一般の人が海外の医薬品を麻薬類と認知できないまま「効果がすごい」などの口コミで誤用してしまったり、麻薬中毒者が外国の薬を代替麻薬として悪用したりするなどの事例が増えているからです。

はじめは何も知らずに購入したけれど、高い鎮痛(幻覚)効果を経験してから、麻薬中毒になったという事例も報告されています。

こうした問題は韓国だけでなく、日本も同様です。厚生労働省からは、中高生など20歳未満の若年層による市販薬の濫用が増えているという報告書も出されています。

韓国旅行に持っていく常備薬を準備するときは、韓国に持ち込み禁止の成分が含まれている該当薬品かどうか、ぜひ一度確かめてみてください。