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第4回〜塩田貞治さん(俳優)
好評掲載中の「ソウルで働く日本人」シリーズも今回で第4回を迎えました。2005年度には在ソウル日本人の人口が約6800人(ノービザ滞在は除外)と言われています。その人数分だけの韓国生活があり、韓国に来た理由も様々なことでしょう。そんな人たちのインタビューを通して、新たな韓国の一面を知ってもらえたら、と思い始めたこの企画。今回ご登場いただくのは、韓国・日本の両方で俳優として活動している塩田貞治さん。「韓国」との出合いが人生の転機となったという塩田さんをクローズアップします!
俳優さんにインタビューというので、いつもとは違う緊張感で待ち合わせ先に向かったコネスト記者。塩田さんとの約束場所は、ソウル北東部の回基洞(フェギドン)にある慶煕(キョンヒ)大学。ここは塩田さんがついこの前まで通っていた学校なんです。
ドキドキしながら待っていると正門前に塩田さんの姿が!ポロシャツにジーンズ、スニーカーというカジュアルな服装で、とても芸能人とは思えません(あくまでもいい意味です)。人なつっこい笑顔と気さくな人柄のおかげで記者の緊張もすぐに解け、取材も終始リラックスムードで進みます。
大学内を友達と歩く塩田さん
プロフィール
名前:
塩田貞治(しおだ・さだはる)
出身:
東京都
誕生日:
9月14日
在韓歴:
約2年(2004年8月〜)
趣味:
絵画(イラスト)
特技:
料理、洋菓子作り
韓国語のレベル:
日常会話に支障なし
職業:
俳優
所属:
有限会社ワンダー・プロダクション(日本)
主な経歴
1998年
「卓球温泉」で俳優本格デビュー
2001年
NHK教育テレビ「ロシア語会話」レギュラー出演
2002年
TBS系「世界ウルルン滞在記」で韓国全羅道の農家で
2002年
農業 体験
2004年
映画「のんきな姉さん」で初主演
同年夏
渡韓&慶煕大学語学堂入学
2004年12月
映画「ひとりだち」出演
2005年7月
韓国映画「まぶしい一日〜空港男女」に主演
2005年10月
第10回釜山国際映画祭にて
....................
「まぶしい一日〜空港男女」舞台挨拶
2006年8月
シネマコリアにて「まぶしい一日〜空港男女」日本上映
塩田さんが2年間通った愛着のある大学内でインタビューをと思った矢先、突然雨が降り出します。急いで塩田さんがよく行くという大学近くのカフェに移動します。ここのパッピンス(韓国式かき氷)がオススメだということで、パッピンスを食べながらインタビュー開始!
雨の中カフェまで移動中の塩田さん(左)
常連のカフェで注文にも慣れた様子
まずは韓国に来たきっかけを教えてください。
1998年頃から日本で俳優として活動していたんですが、2002年の夏に「世界ウルルン滞在記」という番組で韓国の農家で米作り体験のホームステイをしたんです。もともとは1週間の滞在予定だったんですが、天候も悪かったこともあって何にもできずに1週間が終わってしまいました。その時に「このまま帰ったんでは後悔する」と思って、ステイ先の家族と番組スタッフに頼んで滞在を延長させてもらいました。結局滞在は2カ月半にも及びましたね。
それまでは韓国という国に興味があったんですか?
いいえ。僕は昔、洋菓子の専門学校に通っていたこともあって関心が西洋にばかりいって、正直韓国に関しては韓国語はおろか何の知識もなかったですね。
なのにどうして韓国で活動しようと思ったんでしょうか?
「ウルルン」での経験がすべての始まりですね。ホームステイ先の人たちも、最初は日本人の僕のことをあまりよく思ってなかったんですが、2カ月半の間で本当の家族のように優しくしてくれたんです。僕が帰るときには「まだ韓国に戻っておいで」って涙まで流してくれて。そのとき「韓国語を話せるようになってもっといろんな話がしたい、言葉が分かれば今まで見えなかったことがはっきり分かるんじゃないか」って思ったんです。韓国語を学んで韓国で役者として活躍すればみんなも喜んでくれるだろうし、僕なりの方法で恩返しがしたいという気持ちも強かったですね。そのまま日本に帰って、韓国での経験をただの思い出にして暮らすことはどうしてもできなかったんです。
こうして番組終了の2年後に念願の韓国生活をスタートさせた塩田さん。ソウルの慶煕大学で奨学生として語学留学のかたわら、俳優学校に通い演技の勉強もしたりしたそうです。
韓国での活動について教えてください。
渡韓当初は韓国語がまったくできなかったので、語学堂に通いながら日本で仕事が入るたびに帰国して、また韓国に戻ってくるという生活でしたね。2005年の春にたまたま下宿の大家さんから紹介された日本人女性が、映画のキャスティングのアルバイトをしていて。その人の紹介で「まぶしい一日〜空港男女」の監督に出会ったんです。韓国では事務所もマネージャーもいないですから、僕が全部ひとりでやらなければいけないんです。そんな中で人脈というのは本当に大事だなと感じますね。
◀「まぶしい一日〜空港男女」の撮影風景
映画「まぶしい一日〜空港男女」は昨年の第10回釜山国際映画祭でもプレミア上映されたそうですね。
はい。韓国で映画に出るのが夢だったのに、それが叶い映画祭でレッドカーペットまで歩いて・・・周りは有名な俳優さんばかりで、緊張のあまり逃げ出したくなりましたね(笑)。でも、映画上映前は「誰なの、この人?」って感じだったのが、上映後には観客に取り囲まれサイン攻めにあって。とにかくビックリしっぱなしでしたけど、俳優人生の中であんなにうれしかったこともないですね。
「まぶしい一日〜空港男女」は2006年8月に日本でも上映され、舞台挨拶やファンミーティングなどのため日本でも大忙しの塩田さん。そんな彼のプライベートについてもうかがいました。
日本での舞台挨拶時の様子(左)
ソウルでよく行かれるところはありますか?
うーん。やっぱり回基(フェギ)ですね。学校もあるし下宿もこの近くなので。観光客はまず来ないでしょうけど(笑)。学校の友達と遊ぶときはたいていこのあたりですね。回基はソウルでもちょっと田舎のほうですけど、2年間住んで愛着もあるし、僕は大好きです。
韓国のお土産品でオススメはありますか?
僕がよく買うのは、女の子だったら化粧品ですね。パックとかみんな喜びますよ。男の子にはキムチ。それも友達の家で漬けたキムチ(笑)。帰国前には友達のお母さんにキムチをおすそ分けしてもらうんです。これがおいしいんですよね〜。
交友関係はどうですか?
学校関係の友達も多いし、映画を通して知り合った人たちもいます。おもしろいのはチンジルバン(韓国のサウナ)に行って、たまたま隣に座った子と意気投合して友達になったり。そういうのって韓国っぽいなって思いますね。実は、僕が芸能人だと知ってて近づいてくる人たちもいて、傷ついたりしたこともありますが、仲のいい友達は僕を個人「塩田貞治」として付き合ってくれるので、とても気が楽ですね。悩みを正直にぶつけられる友達もいて、彼らの存在に今まで何度となく助けられました。
オススメのお店などあったら教えてください。
これもやっぱり回基ですけど(笑)。「ヤンウンセサン(量は世界?)」という店のネンミョン(冷麺)がとてもおいしいんです。ここのご主人と奥さんとも仲良くて、僕がしばらく顔を出さないと心配してくれるほどなんです。
お店のご主人と奥さんと一緒に▶
「ヤンウンセサン 慶煕店 (양은 세상 경희점)」
ソウル市東大門区(トンデムング)徽慶洞(フェギョンドン)321-57
電話:
02-957-3808
アクセス:
1号線回基(フェギ、Hoegi)駅1番出口から徒歩5分
取材当日はケーブルテレビで塩田さん主演映画「まぶしい一日〜空港男女」が放送され、二人とも「映画みたよ〜」と塩田さんの活躍を心から喜んでいました。
韓国と日本の両方で活動されてみて感じた違いってありますか?
監督との会話もすべて韓国語
仕事面で言えば、韓国の撮影スケジュールがしょっちゅう変わることですかね。映画の台本も当初と内容がまったく違うものになったし(笑)。スケジュールは日本よりもきついでしょうね。その分土壇場での臨機応変さは目を見張るものがあります。
仕事以外では、やっぱり韓国人は情が深いということです。農家に滞在したときもそうでしたが、一度仲良くなると家族のように愛情を注いでくれます。それが魅力でもありますね。
また、韓国人はマナーが悪い、時間・約束にルーズだとよく言われ、僕自身もそれは感じますが、生活していく上で慣れたというか、それも文化なんだって思います。日本と韓国って似ているから錯覚しやすいけど、2年の間に少しずつ互いの違いを受け入れられるようになった気がします。
韓国に来てよかったことと、つらかったことは何でしょうか?
良かったことはやっぱり韓国で映画に出られたことでしょうね。その反面、常に不安はあります。こう見えても僕すごく神経質で、落ち込むときはとことん落ち込むんです。でも日本で応援してくれる人たちや韓国で出会った人たちのおかげで何とかやってこられたって感じですね。
これからの活動予定と将来の夢を聞かせてください。
これからも日本・韓国の両方で活動を続けていく予定です。韓国では映画を通して出会った人たちと一緒にラジオドラマをやろうという話も出ています。「塩田貞治」という俳優を通して両国に関心を持ってもらえるような、日韓の架け橋的存在になれればと思います。具体的にはやっぱりまた映画祭に出たいですね。前回はド緊張だったので次はもっと堂々とした姿で(笑)。
最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
僕が今までやってきた仕事って初めてづくしなんですよね。「ウルルン」で滞在延長したのもそうだし、韓国に来ちゃったのもそうだし。そういう意味ではまたファンの皆さんがあっと驚くようなことをしてみたいですね。新たなサプライズを期待してください!
話したい、知りたい、伝えたいという想いから韓国に住むまでに至った塩田さん。彼の話を聞いていると、記者も韓国に初めて来た時の情熱がよみがえってくるようでした。日本では韓流ブームと言われて久しいですが、韓国で活躍する日本人俳優はまだまだ少ないのが現状です。これからの塩田さんの活動に期待がかかります。お忙しい中、取材にご協力いただきありがとうございました!
「塩田貞治さん」情報
☆塩田さんの公式ブログが誕生!
http://korea.alc.co.jp/culture/haru/
塩田さん本人が日韓の活動の中で感じた日々の出来事を
綴っています。要チェックです!
最終更新日:06.09.22
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