光化門駅前の東亜日報旧社屋の側面に、現代的なガラス張りの入口があります。
ここから入って観覧できる1~3階は「一民(イルミン)美術館」展示スペースですが、5階はわりと最近オープンしたらしき「新聞博物館」です。
12月上旬、雪の残る寒い日に訪ねてみました。
真新しい感じのフロアには、受付嬢と私の二人きり。韓国の新聞報道の歴史を貸切状態で鑑賞できます。
(受付嬢の目の前で
を出して撮っていても無反応だったので、撮影禁止ではない、ようです)
ベルリンオリンピックの「日本人」金メダリストとして有名な孫基禎選手の写真、朝鮮総督府による東亜日報・朝鮮日報の廃刊など、「日帝」が悪役なのは、まあ韓国の歴史展示の定石です。
が、1980年代にも当局の検閲との闘争、デモで連行される若者、「ソウル大学生○○君の拷問死」記事といった資料があるのが、ある意味衝撃的です。
また、記事のほか、風刺画、漫画、広告などからも「時代の流れ」を感じることができます。
時代の流れといえば、スマホ等の普及した現在、市街や地下鉄・バスの車内などで新聞を読む人を滅多に見なくなりました。
が、東亜日報旧社屋周囲には、掲示板に貼られた新聞を熱心に読む中高年男性たちの姿が見受けられ、「この人たちの存命中は、紙の新聞も絶滅せず発行されるかも」と思ったりします。
ところで、この博物館には、恐るべき「体験フロア」があります。入場券(あ、入場料は大人3000ウォンです)に体験クーポンが付いていると説明され、階段を上がって6階に行ってみたのですが・・・、
「自分の写真入りの東亜日報紙面を作る」体験でした
オペレーター嬢とまたも二人きりのフロアでは:
・ステージのような場所で写真を撮られる。
・自分の背景になる写真を選ぶ。
・写真下に入る文章を入力。韓国語のキーボードを見つめて「うーん」と思案して
いると「あ、入力が難しかったら、口頭で言っていただければ私が入力を
」と
微笑むオペレーター嬢
小心者なうえに一人での訪問だった私は、動揺したあげく清渓川を背景に地味な紙面を作りましたが、青瓦台を背景に「就任演説する○○(←自分の名前)大統領」とかも可能ですので(いえ、別に何も撮らずに5階だけ見て帰っても良いのですが)、ソウル訪問の記念にぜひ