マナガツオを食べに行ってきました
マナガツオとは
みたいな形の魚で、東日本では滅多に獲れませんが
大変美味しい魚です。漁師さん曰く、「刺身で美味いのは鰆かマナガツオ」だそうです。
しかし新鮮でないと刺身には出来ず、今まで食べれずにいました。
ところがこのマナガツオ、韓国ではピョンオと呼ばれ、普通に市場に並ぶというでは
ありませんか。市場から直接買い付けて捌いてもらえば鮮度は保証ずみです。
そこで日本からしょうゆと本わさび、マヨネーズを持ってノリャンジンに乗り込みました。
地下鉄1号線に乗ってノリャンジン駅に着き、改札を出て跨線橋を渡ります。
少しだけ迷いましたが、地元の人が階段室に入っていくのを見て
後ろを付いていくと、水産市場に入る事ができました。
2階レベルから見下ろすとすごい活気です。魚のむせ返るような臭いもします。
1階に下りると、手前側に電球に照らされた明るい通路があります。
通路の両側には水槽が並び、活け魚が泳いでいます。
おおきな車海老やアワビが平に並べられ、ヒラメや黒鯛、クエやボラなどが泳いでいます。
「ヒラメ、アワビ、サシミ!ドウデスカ?」声がかかりますが、目的はマナガツオです。
目もくれずに歩いていくと…あれ、突き抜けちゃった?
手前側の通路にはマナガツオはいませんでした。
少しだけ奥に入り、3列目を歩いてみると、今度はマイナーな魚が並んでいました。
韓国の人が好むエイや、アンコウとかもいます。その中に並んで、マナガツオがいました!
水揚げされたマナガツオは、まるでマンボウやエンゼルフイッシュみたいに見えます。
早速オバちゃんに値段を訊きますが…早口の韓国語でほとんど判りません。
しかも20センチほどのマナガツオを3尾一皿で売っているのですが、
二人ではそんなに食べれる訳もなく、(とその時は思っていた)、
2尾の値段を身振りで尋ねるとノートに14000ウォンと書いてくれました。
日本円にすると1100円ちょっとです。味からするとぜんぜん安いですが、周りを見ると
向こうの店にもマナガツオが並んでいるではありませんか。
そちらの魚の方が立派だなあ~と眺めていると、すかさずノートに斜線が引かれ、
12000ウォンに修正されました
けなげさに惹かれてその値段で買い求めましたが、
刺身にサバいてもらおうとすると、首を横に振るばかりでラチが明きません。
うわさでは各魚屋でサバいてくれた刺身とアラを、提携の調理店に持ち込めるハズなのに…
仕方なくビニール袋に入ったマナガツオをぶら下げて、市場をうろつきます。
明るいメインストリート的な場所に戻ってみると、左サイドの奥のほうに
調理店が並んでいるようです。適当な店に入り、「サシミ、メウンタン」と声をかけると、
判ってくれたのか奥のテーブルに案内されました。
出てきたオバちゃんは1尾を刺身に、1尾をメウンタンにしようと言っているようです。
「ノーノー、2尾とも刺身で、残りのアラをメウンタンに!」
と日本語で言い張ると、魚を持ち 頭をかしげながら厨房の方に消えていきました。
テーブルではビールを1本だけ頼みました。しばらくするとビールと共に
付け合せの副菜とサンチュ・エゴマの葉がテーブルに並べられました。
小皿にはビリジアン色をしたペーストがこんもりと盛られています。
どうやらワサビのようですが、とても使う気にはなれません。自前で用意してよかった
日本から持ってきたしょうゆとワサビ、それからマヨネーズをテーブルにセットして待つこと5分
ついに刺身皿にマナガツオが盛られて出てきました!
…あれ?刺身だよね?切り方おかしくない?薄いけど皮と骨ついてるし…
どうやらぶつ切りにされてしまったようです
マナガツオは魚体が薄いので捌きにくい事は確かですが、まさかぶつ切りにされるとは…
救いは4ミリ厚程度なのでなんとか食べれるといったとこでしょうか…
骨と皮ごと口の中に放り込むことにしました。
しかしこのマナガツオ、本当に美味しいです。どちらかといえば青魚ですが
生臭さは一切無く、キメの細かい脂がのっています。
口の中で骨と皮を分別する手間を鑑みても、十分食するに値する魚です。
骨を丁寧に取り除き、コチュジャン&マヨと共にエゴマの葉にくるんで食べると、
これまた最高です。
メウンタンは出ないのかなーと諦めていたら、20分ぐらい過ぎたあたりに登場してきました。
カセットコンロに載った直径25センチくらいの大平鍋が、ぐつぐつと煮えたぎっています。
巨大なアラの上に、緑色のセリと豆もやしが乗せられています。おいしそう!
でもこんな魚注文したっけ?何か違うな…と思っていると、
オバちゃんがニコニコしながら話しかけてきました。
どうやら2匹のマナガツオだけではメウンタンを作るには足りなかったらしく、
他のアラをサービスで入れてくれたらしいのです。いや申し訳ない
このメウンタンがまた美味い!カセットコンロに火をつけさらに煮込むのですが
煮込めば煮込むほど、魚のアラからダシがでて、スープが濃厚になっていきます。
鍋底には韓国らしく、大根を四角に切った物が敷いてあります。
この大根がスープをたっぷりと吸い込んで、とても美味いです。
サービスのアラは2匹分もあります。鯛とハタのようでした。どちらも結構値の張る魚です。
美味しいなあと思って食べていましたが、鍋底からマナガツオの小さなアラを見つけて
口に入れたとたん、意を改めました。「マナガツオのほうが美味い…」
今まで西京焼きや燻製を食べてきて、美味しい魚だとは承知していましたが
鍋にしてもうまいとは…身がぷりぷりとしています。
さっそく余った刺身を鍋の中に泳がせ、しゃぶしゃぶにして食べました
満腹になったのでお勘定を頼みました。余分な事をお願いしてしまったので
多少高くなっても仕方ないかな…と思っていたら、19000ウォンしか請求されませんでした。
正味 メウンタンとビール、薬味代だけの請求です。
あまりに申し訳ないので、日本語でですが丁寧にお礼を言って帰りました。
本当にいい人達ばかりでした
最後に、こうしとけばよかった、というTipsを書いておわることにします。
①マナガツオは人数+1尾を買うこと。2人なら2尾を刺身に、1尾をメウンタンに使えます。
②「3枚におろして刺身にしてください」と韓国語で伝えること。ぶつ切りは食べにくいです。