２０１０国防白書、「北朝鮮＝主敵」記述せず

国防部が１０月末に出す「２０１０国防白書」に「北朝鮮＝主敵」という表現を明記しないことが、１９日に確認された。

政府関係者は「新しく出る国防白書で北朝鮮に対して‘主敵’という用語を使わない方針を決めた」と明らかにした。この関係者は「北朝鮮が韓国の主敵という点は明確だが、国防白書には主敵表現を直接記載しないことにした」と述べた。

これは最近の変化した南北気流を反映している。南北が離散家族再会について協議しているうえ、国防部は北朝鮮が提案した南北軍事実務会談を３０日に開催しようと修正提案するなど、天安艦局面に変化の兆しが表れているからだ。

政府と軍当局は３月２６日の天安（チョンアン）艦襲撃事件後、主敵概念を復活させる方向で方針を立てた。李明博（イ・ミョンバク）大統領は５月２５日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で開かれた国民元老会議で、「韓国軍は１０年間、主敵概念を定立できなかった」と述べ、主敵という表現を復活させるものと予想された。

この関係者は「主敵概念は維持するが、新しく出る国防白書は０８年の国防白書と似た表現になるだろう」と説明した。０８年の国防白書は北朝鮮を「われわれの安保にとって直接的かつ深刻な脅威」と記述している。

「北朝鮮＝主敵」表現が国防白書に導入されたのは９５年。９４年の南北実務接触で北朝鮮側が「ソウルを火の海にする」と脅迫したことへの対応だった。しかし主敵概念は盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権当時の０４年国防白書から削除された。