日本からの文化財返還、政府が交渉準備に着手

【ソウル１６日聯合ニュース】日本の菅直人首相が韓国に返還する意向を明らかにした「朝鮮王室儀軌」（朝鮮王朝時代の祭礼や主要行事を絵や文で記録した書物、宮内庁が保管）をはじめ、朝鮮半島由来の書物の返還に向けた交渉準備を、政府が本格化する。
　政府筋は１６日、「朝鮮王室儀軌」などの返還には韓日間協定が必要で、これに向け交渉を進めることになると説明した。外交通商部と文化財庁を中心に、実務準備作業に入ると伝えた。

　このため、外交通商部の張元三（チャン・ウォンサム）東北アジア局長、文化財庁の朴英根（パク・ヨングン）文化財活用局長が１７日に会合し、日本から返還を受ける文化財の範囲と、日本に持ち出された文化財の実態調査を新たに実施するかなどついて意見交換する予定だ。

　現在、日本からの文化財の返還に向けた交渉の提案はないが、今後の交渉は、韓国側の外交通商部、文化財庁、日本側の外務省、宮内庁などが中心になるだろうと、この政府筋は伝えた。

　韓国に返還する文化財の範囲について、日本は菅首相の談話で、日本が統治した期間に旧朝鮮総督府経由で持ち出され現在日本政府が保管している「朝鮮王室儀軌」など、「朝鮮半島由来の貴重な図書」とした。

　しかし政府は、日本植民地支配時代、公権力により違法または不当に持ち出された文化財を返還範囲にすることを検討しているという。また、文化財庁が国立文化財研究所に依頼した調査では、朝鮮半島から持ち出された文化財６万１４０９点が日本の国立博物館や大学、寺院など２５０カ所で保管されているとの１次調査結果を得ていることから、さらなる実態調査が必要との立場だと伝えられた。

　政府当局者は「日本は国内保守陣営の反発などを考慮し、文化財返還を静かに進めたいという姿勢だ」と話した。

japanese@yna.co.kr