国内でｉＰａｄ便法購買競争

会社員イムさん（２７）は最近、海外ショッピング代行サイトを通してｉＰａｄを注文した。ｉＰａｄはアップル社から出たタブレットＰＣで、４月３日に米国で発売された。まだ国内には正式に輸入されていない。しかしイムさんは国内に正式輸入されるまで待てなかった。

放送通信委員会で先月２７日、１人当たり１台の購買を認めたことで、海外購買代行サイトが次々と誕生している。米国にいる販売者がインターネットを通して購買希望者を集めた後、米国現地で大量購入し、国内に送るという方法だ。国内では販売目的での輸入が禁止されているため、迂回路に目を向けたのだ。

イムさんは「便法ということは分かっているが、すでに米国の友人がｉＰａｄを使用した感想をブログに載せるのを見て、急いで注文することになった」と語った。

専門家らはこうした現象について、デジタル革命期に育った「デジタルネイティブ族」には当然のことだと説明する。デジタルネイティブとは、デジタル言語と装備をあたかも特定言語のネイティブスピーカーのように自由自在に駆使する若い世代を意味する。それだけデジタル機器への愛着が強い。新製品の登場に敏感であるため、発売を控えてさまざまなハプニングが生じたりもする。

延世（ヨンセ）大学のファン・サンミン教授（心理学）は「かつて外国の新製品ショッピングは身分上昇の象徴として受け止められていたが、デジタルネイティブ族の場合、デジタル世界の流行について行けなければ自分が時代に遅れていると感じるようだ」と説明した。

ファン教授は「ｉＰａｄのように便法購買が生じるのは、むしろ社会的システムが消費欲求に追いついていないと言える」と述べた。