カナダ大使「韓国がＧ２０合意履行の主導を」

リップマン駐韓カナダ大使は、１１月の主要２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会合（金融サミット）議長国の韓国には、昨年９月のピッツバーグサミットでの合意事項の履行をリードすべき義務があるとの考えを示した。

聯合ニュースのサミット関連インタビューに応じたリップマン大使は、「わたしたちは世界経済を回復させ、より強く持続可能で、バランスの取れた成長に向けた土台を提供するという義務に焦点を合わせなければならない」と述べ、このように強調した。カナダは６月のＧ２０サミット議長国として、こうした目標増進に向け韓国と緊密に協力することを期待していると述べた。

　これまでのワシントン、ロンドン、ピッツバーグ、トロントサミットで明確に定められたＧ２０の責務は、経済と金融に関するものだと指摘。ことしのＧ２０サミットも、そこに焦点を当てるべきだとした。国際経済協力に向けた「プレミアムフォーラム」のＧ２０サミットでは、Ｇ２０の責務拡大を考慮するよりも、過去のサミットで提示された経済回復案を扱うべきだと重ねて強調した。

　出口戦略については、Ｇ２０加盟国は景気てこ入れ策を引き続き忠実に執行する必要があり、慎重に出口戦略とのバランスを取らなければならないと述べた。急いた出口戦略は、ダブルディップ（二番底）と失業率の上昇を招きかねないと警告した。

　Ｇ２０サミットが開発途上国や低開発国の声を十分に代弁していないとの指摘に関しては、Ｇ２０はアジア、アフリカ、南米のＧ２０非加盟国の諮問を得るため緊密に動いていると述べた。ただ、重要なことは効率性だと強調し、Ｇ２０が本意と異なり拡大しすぎ、正統性や効率性を失う危険を甘受することを望んではいないと主張した。

　リップマン大使は、韓国でのＧ２０サミット開催は、１９８８年のソウル五輪と同じく、国際社会における韓国のポジションを高める契機になるだろうと見通した。ソウル五輪が朝鮮戦争後の韓国の進展を初めて世界に知らしめた「カミングアウト」だったとすれば、２０年余りを経て開かれるＧ２０サミットの成功は、韓国の世界的経済国として公に座を固めることになるだろうと述べた。韓国がＧ２０サミット開催地となったのは、世界が直面した経済危機を扱う上で、韓国の主導的な役割を認めていることを示すものだとし、Ｇ２０サミットは韓国の成長を示すチャンスになるだろうと期待を示した。