＜ゴルフ＞韓国ゴルフ全盛時代

１１月１日は大韓民国のゴルフ史に残る日となった。大きなニュースに隠れてメディアの注目は浴びられなかったが、韓国選手が米ＬＰＧＡツアー、欧州女子ツアー、そして日本女子ツアーの３大ツアーゴルフ大会を同時に制した意味深い日だった。

仁川（インチョン）永宗（ヨンジョン）島スカイ７２ゴルフ場で開催されたハナ銀行コーロン選手権ではチェ・ナヨンが優勝し、中国・上海で開かれた欧州女子ツアー大会ではソ・ボミが頂点に立った。さらに日本女子ツアーＩＤＣ大塚家具レディス大会ではチョン・ミジョンが今季４つ目となる優勝トロフィーを手にした。

数年前なら大騒ぎになっていたはずだが、意外に国内の反応は落ち着いていた。周囲の人たちもそうだった。韓国の女性ゴルファーが３大ツアーで同時優勝をしても、それほど関心がない様子で、「韓国女子ゴルファーが国際ゴルフ大会で優勝するのは珍しいことではない」という反応だった。

韓国選手の優勝は今では大きなニュースではない。大規模な大会で優勝したといってもそれほど関心を示さない。梁容銀（ヤン・ヨンウン＝Ｙ・Ｅ・ヤン）が８月のＰＧＡツアーメジャー大会でタイガー・ウッズを破ったことで、これ以上のビッグな‘ゴルフニュース’はなくなったと言っても過言ではない。

それだけゴルフファンの期待値が高まったということだ。最高権威のメジャー大会といわれるマスターズや全英オープンなら分からないが、ＰＧＡツアーやＬＰＧＡツアーの優勝ではアピールできなくなったのだ。

韓国女子ゴルファーは今年ＬＰＧＡツアーで１０勝をマークした。１勝を追加すれば０６年の最多勝（１１勝）記録に並ぶ。さらに申智愛（シン・ジエ）が米国舞台に進出したことで、ＬＰＧＡツアーの今年のＭＶＰと賞金王・新人王に最多勝王まで総なめする可能性も出ている。日本ツアー（ＪＬＰＧＡ）ではチョン・ミジョンが４勝をマークし、今年だけで９勝をマークした。賞金ランキング１０位の中で韓国選手は３人も含まれている。ここまでくると「韓国ゴルフ全盛時代」だ。昨年まで女子ゴルフに比べて男子が劣勢だったが、梁容銀のメジャー大会優勝を起爆剤に男子ゴルフも中興期を迎えている。

２０１６年リオデジャネイロ・オリンピック（五輪）でゴルフが正式種目に採択され、ゴルフはもうグローバルスポーツとして定着する見込みだ。ゴルフ界からはオリンピック正式種目の採択を契機に「ゴルフの日」を制定すべきだという声も出ている。野球がオリンピックで金メダルを獲得したのを記念して「野球の日」ができたように、梁容銀のＰＧＡツアーメジャー大会制覇とオリンピック種目採択を記念して「ゴルフの日」を作ろうという主張だ。これまでも好成績を収めてきたのに、突然なぜ「ゴルフの日」かという声もある。

しかし韓国人で初めてマスターズに出場した大韓民国ゴルフの‘生きた神話’ハン・ジャンサン氏（６８）はこう語る。「私の生前に韓国選手がＰＧＡツアーメジャー大会で優勝するとは夢にも思っていなかった。私の考えでは、メジャー大会制覇はオリンピックの金メダル１０個分の価値がある。国慶日を作ろうというわけではない。ゴルフの日を制定し、その業績を称えれば、今後、第２、第３の梁容銀が誕生して、大韓民国ブランドの価値をさらに高めるのではないだろうか」