李大統領が内閣改造実施、与野党構造変化の見通し

【ソウル３日聯合ニュース】李明博（イ・ミョンバク）大統領は３日、次期首相に鄭雲燦（チョン・ウンチャン）前ソウル大学総長を内定するなど、６官庁に対する内閣改造を断行した。
　法務部長官には李貴男（イ・グィナム）次官、国防部長官には金泰栄（キム・テヨン）合同参謀会議議長、知識経済部長官には崔ギョン煥（チェ・ギョンファン）ハンナラ党議員、労働部長官には任太熙（イム・テヒ）ハンナラ党議員、女性部長官には白喜英（ペク・ヒヨン）ソウル大学食品栄養学科教授、これまで空席だった特任長官には朱豪英（チュ・ホヨン）ハンナラ党議員をそれぞれ内定した。
内閣改造は、先月３１日の青瓦台（大統領府）参謀陣改編に続き断行された。李明博政権発足後、初めて首相を変えたほか、長官の入れ替え幅も最も大きいことから、執権第２期に向けた人的基盤の構築という意味を持つ。

　特に、首相に内定した鄭雲燦氏は忠清南道出身で進歩・改革性向とされ、与党勢力の地域的・理念的な基盤とはやや異なる面がある。第１７代大統領選挙のときから候補に挙げられてきただけに、与党内部だけでなく、与野党の構造にも相当な変化をもたらす見通しだ。

　青瓦台の李東官（イ・ドングァン）弘報（広報）首席秘書官は、鄭氏の人選背景について、ソウル大総長を務めた国を代表する経済学者として、学会長と総長在任時に優れた組織管理成果を上げたと説明。持ち前の親和力と幅広いグローバルネットワークを用いて国政課題を推進する上で、包容と和合の統合的リーダーシップを発揮するものと判断したと述べた。また、これまで経済批評家として李明博政権の経済政策に建設的な代案と助言を惜しまず、今後はこうした経験を基に大統領を補佐し、行政各官庁の役割を効率的にまとめ、中道実用と中身のある親庶民政策を進めるだろうと期待を寄せた。

　忠清南道・公州出身で、前大統領選挙で野党側候補のひとりに取り上げられた鄭氏の首相起用は、統合と平定効果を生むと同時に、与党としては野党・自由先進党が力を伸ばしていた忠清道に足掛かりを築き、今後の地方選挙や大統領選挙での攻略を狙う意志を示したものと受け取れる。また、新たな次期大統領候補を育成することで、朴槿恵（パク・クネ）元ハンナラ党代表の一方的な独走様相が続く与党内大統領選挙構造に競争構造を作ろうとする布石であるともみられる。

　一方、今回の内閣改造にはハンナラ党議員３人が含まれ、与党が絶えず要求してきた政治家の入閣がある程度実現した。政治家出身の長官は、保健福祉家族部の全在姫（チョン・ジェヒ）長官、行政安全部の李達坤（イ・ダルゴン）長官と合わせ５人に増えた。

　新たに入閣した長官の出身地はソウルが２人、慶尚道が２人、京畿道が１人、忠清道が１人、全羅道が１人で、出身学校もソウル大学が２人、高麗大学が１人、延世大学が１人、その他が３人と、比較的バランスが取れている。

　特任長官は、昨年初めに大統領職引継委員会がたたき台を作り、政府組織法の改正を経て設置根拠が整えられたが、これまで空席となっていた。１９９８年、金大中政権に入り廃止された政務長官が１１年ぶりに復活した形だ。