【秋山成勲の愛と挑戦２】愛、そして人

　秋山成勲（＝秋成勲、３４）に対する評価は極端に異なる。 韓国ではセックスシンボル、日本では悪漢だ。 ある人はかわいいと言い、ある人は激しい姿がかっこいいと言う。 夫人は日本のトップモデル矢野志保だ。 親友は「親分」と呼ばれる野球選手の清原和広。

秋山は韓国国籍を捨てて日本人になった。 自叙伝のタイトルのように「ふたつの魂」を持つ。 雲のように秋山は境界なく漂う。 ある意味で秋山にとって人は敵であり、愛とは憎悪かもしれない。

柔道をするために韓国に渡ってきた秋山は差別と嫉みを受けた。 日本に戻って国籍を変え、格闘技スターになると、韓国でスターになった。 秋山の苦い過去までが商品化されるほどだ。

妙なところは日本でも同じだ。 秋山が韓国国籍を捨てて日の丸を付けても、日本は特に関心を見せなかった。 ０６年、日本格闘技の英雄・桜庭和志を破った後、保湿クリームを塗ったという罪で処罰を受けた。 日本人として生きていこうとしたが、日本から排斥された。 逆に韓国では熱い声援を受けた。 逆説でありアイロニーだ。

これに関する質問に秋山は「それも自分であり、自分の人生だ」と言って笑った。 かつては恨んで怒りを覚えたが、今では超脱した姿だ。

人から裏切られ続けた秋山はどういう人に好奇心を感じるのか。 「韓国人」に限定して尋ねた。 秋山は「一緒に柔道をした尹東植（ユン・ドンシク）選手、金岷秀（キム・ミンス）選手、ＵＦＣで新しく出会った金東?（キム・ドンヒョン）選手、そして朴賛浩（パク・チャンホ）選手とも縁がある」と答えた。

秋山は「昨年ファッションショーで朴賛浩選手に会った。 いつか一緒に食事でもしようと言われた。 時間を取って必ず会いたい人」と語った。 秋山と朴賛浩。２人の共感はお互いに対する好奇心、ビッグリーグ挑戦という共通点のためだろう。 秋山は「（大きな舞台に挑戦した先輩としての朴賛浩選手に）共感する部分がある」と話した。

多くの人の中でも「秋山成勲の人」と言えるのは夫人だけだ。 新婚生活中の秋山は「他の人と同じように平凡に楽しく暮らしたい。 時々ささいなことで夫婦喧嘩もしながら過ごしている」と言って笑った。 秋山は多くの人と交わりながらいろんな形の愛を持って生きている。