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「バンパイア神父」の致命的な愛…映画「コウモリ」

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パク・チャヌク監督は、カンヌでの栄光を再現することができるだろうか。来月13日に開幕する第62回カンヌ国際映画祭競争部門招待作であるパク監督の新作「コウモリ」が24日、公開された。2004年、カンヌで審査委員大賞を受けた「オールドボーイ」に次ぐ2度目の挑戦作だ。パク監督自らも「私の生涯最高傑作」「自分自身が映った、最も愛着のある作品」と称した。

「コウモリ」は事故でバンパイアになった神父が致命的愛に陥る、バンパイアを素材とした痴情的な恋愛映画。軽いロマンチックコメディーを標榜した「サイボーグだけど大丈夫」を除いてパク・チャヌク監督が見せる本格的な恋愛映画であると同時に、出世作「JSA」(2000)時からソン・ガンホ、シン・ハギュンらと夢見てきた10余年にわたるプロジェクトの完成だ。周知のとおりパク監督は「JSA」以後“復讐”シリーズにこだわり、2004年、オムニバス映画「スリーモンスター」を通じてバンパイアキャラクター(ヨム・ジョンア)を見せたことがある。

「コウモリ」は「親切なクムジャさん」以後「サイボーグだけど大丈夫」で一息入れたパク・チャヌク監督が、今回も問題のある監督であることを示される。罪と救い、誘惑とタブーなど実存的、宗教的なテーマをパク・チャヌク式ユーモアと特有の残酷の美学で溶かし、パク・チャヌクワールドの健在を誇示した。今までパク・チャヌクの映画の世界を集約した映画ともいえる。神父サンヒョン(ソン・ガンホ)はウイルスワクチン実験中に正体不明の血を輸血され、バンパイアになる。友達であると同時に病弱なマザコン男カンウ(シン・ハギュン)の妻テジュ(キム・オクピン)と激しい恋に落ちた彼は、テジュをカンウから救い出そうとする。

「コウモリ」は誘惑とタブーに対するジャンルであるバンパイア映画の伝統に従うも、バンパイアに人間(それも神父)の顔を着せて「新しい韓国型バンパイア」として誕生した。生存のために人殺しをするバンパイアのサンヒョンは、パク・チャヌクが描きたかった「道徳的ジレンマ」に陥った人間の典型。

「JSA」「復讐者に憐れみを」に続く3作目で、パク・チャヌクの男となったソン・ガンホが当初の懸念を壊して十二分に演じた。キム・オクピンの破格的で狂的な演技、キム・ヘスク(カンウの母)とシン・ハギュンの何かにとりつかれたような演技のアンサンブルも絶妙だ。

映画全体を貫くユーモラスな雰囲気も映画に欠かせない魅力。深刻な状況を軽くする台詞や時々オーバーに演じる演劇風演技の結果だ。

もちろんこの映画の最大の魅惑はスタイリスト、パク・チャヌクが創造したイメージと映画的施工術。赤く伸びる血の誘惑的イメージ、素足のテジュにサンヒョンが自分の履き物を履かせる場面、バンパイアになってローラーコースターに乗るように飛び回る脱走のイメージなどは「映画的映画」の快感を倍増させる。

原作はエミール・ゾラの最初の小説「テレズ・ラカン」。監督は「カトリック師弟のアイデンティティ、バンパイア、エミール・ゾラの結合物」と自分の映画を紹介したことがある。30日公開。18歳以上観覧可。
 
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2009年04月25日 12:06
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