「飲み水は沸かして」ジオキサン不安拡散／大邱

「洛東江浄水場の水道水で基準を超過した１，４−ジオキサンが検出されました。市民の皆さんは必ず水道水を沸かして飲んでください」−−。

２０日午前１０時２０分大邱市長が予定になかった記者会見を開いた。金市長は「ジオキサン数値を下げるために多角度で努力している」としながらも「状況がよくならなければ取水を中断することも検討している」と明らかにした。

大邱地域で消費する水道水（飲料水）の８０％である１日６３万トンを供給する梅谷浄水場のジオキサン濃度が許容基準を超過して非常事態になった。大邱市によればこの日午前６時、梅谷浄水場で生産した水道水のジオキサン濃度が５４マイクログラム／リットルとなった。昼１２時には５５．９マイクログラム／リットルを記録した。これは世界保健機構（ＷＨＯ）の飲料水勧告値５０マイクログラムを超えた数値だ。梅谷貯水場の洛東江源水も１７日、１リットル６３．８マイクログラムからこの日７７．１マイクログラムに上がった。１，４−ジオキサンは、国際がん研究所（ＩＡＲＣ）が定めた発がんが疑われる物質だ。

これによって大邱市は水道水のジオキサン濃度が６５マイクログラムを超えれば洛東江水の取水を中断することにした。代わりに洛東江水を水源として使わない雲門（ウンムン）、嘉昌（カチャン）、公山（コンサン）ダムの水道水（１日４３万トン）で時間制や隔日制給水をするということだ。市は水道水生産中断に備えて１７日、洛東江水系の水道水生産量を６３万トンから４３万トンに減らした。

専門家たちは沸かせば安全だという。ミン・ギョンソク教授は「１００度が超えると水中に溶けているジオキサンが空気中に飛んで濃度が下がる」と説明する。５分間沸かせばジオキサンの ６０％が、１０分間沸かせば９０％以上が消えるという。ＷＨＯの飲料水勧告値の水を飲む人の安全を最大限考慮して設定したものなので、沸かして飲めば健康に特に影響を及ぼさないという。　

◆１，４−ジオキサン＝毒性が強くてがんを誘発することがある物質だ。ＷＨＯは大人が３０年間、１，４−ジオキサンの濃度が５０マイクログラム／リットルである水を１日２リットルずつ飲んだ場合、１０万人に１人の発がんの可能性があるとしている。同じく発ガン物質であるダイオキシンは焼却場でプラスチックを燃やしたときに発生する一方、１，４−ジオキサンは産業用溶媒や安定剤として使うためにポリエステルに高温の熱を加えて作る。