北、韓国のトウモロコシ５万トンを拒否

北朝鮮が、トウモロコシ５万トンを支援するという韓国政府の提案を拒否した。

政府は今年５月中旬、板門店（パンムンジョム）の大韓赤十字社（韓赤）チャンネルを通じてトウモロコシ５万トンを支援するため、今年５月から接触を打診してきた。

金浩年（キム・ホニョン）統一部スポークスマンは３０日の会見で「先週、板門店の赤十字チャンネルを通じてトウモロコシの支援に関する北朝鮮側の立場を確認しようとしたが、北朝鮮側の実務者が“上部に尋ねたところ支援は受けないという”と答えた」と明らかにした。

政府はこれにより、先月２７日、北朝鮮当局の公式見解を改めて確認するため、トウモロコシ支援の受け入れを尋ねる韓赤総裁名義のファクスを北朝鮮・赤十字会中央委員長宛てに送ろうとしたが、北朝鮮側の実務者はファクスの受け取りも拒否したという。

北朝鮮側がファクスの受け取りまで拒否したのは異例のことで、新政権とは接触しないという強硬姿勢を示したものだと政府当局者は分析している。政府の一部では北核問題の進展で、朝米関係が改善され、米国が北朝鮮への食糧支援を開始した状況であることから、北朝鮮が当分韓国から支援を受けなくてもいいという判断を下したのではという見方もある。

金スポークスマンはしかし、北朝鮮がトウモロコシを受け取るという意思を表明さえすれば南北（韓国・北朝鮮）間の実務接触がなくても、トウモロコシ５万トンを提供するという政府の立場を繰り返し明らかにした。「北朝鮮側が受け取るにあたって希望する場所、時期、方法など実務的な事項を知らせてくれればトウモロコシ５万トンを提供する」と話している。

また、北朝鮮側がトウモロコシ支援の提案を拒否する場合、世界食糧計画（ＷＥＰ）が行う「北朝鮮食糧実体調査」の結果を見た後、人道レベルで必要とされる措置を検討する考えだと付け加えた。