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秋を代表する餅、韓国全南霊光の苧葉松餅

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秋夕(チュソク、中秋/9月15日)が目前に近づいた。秋夕には食べ物が豊富で心まで豊かになる。だが、いくら食べる物が多くても秋夕の食膳にないと物足りなく思うものがある。秋夕を代表する節気料理、松餅(ソンピョン)だ。家族みんなが縁側に座り、仲良くあれこれ話に花を咲かせながら松餅を作る様子は秋夕を代表する風物詩だった。名節の風習が次第に消えていっているが、松餅に込められた人々の情は相変わらずだ。「松餅の思い出」を再確認したいと思っているファミリー家族には全羅南道霊光(チョルラナムド・ヨングァン)が旅行コースとしてうってつけだ。霊光特産品のカラムシの葉を使った苧葉松餅が味わえ、しかも子供と一緒に松餅づくり体験も楽しめる。

◆松餅を作っている餅屋だけで128カ所

全羅南道霊光はまさに「餅の本場」だ。人口6万人足らずの霊光郡には餅屋だけで128カ所もある。店ごとに必ずあるのが「松餅」だ。昨年、霊光で生産された松餅は3000トンに達し、霊光は松餅だけで250億ウォンの収益を上げた。

「西海(ソヘ、黄海)に接しながらも広い平野に恵まれている霊光は古くから塩業と稲作が盛んでした。二つの農作業はともに労働集約的なので人手を借りることもしばしばでした。彼らの食事を準備しながら家ごとにつくったのが松餅です。携帯して食べやすい松餅は中食(ちゅうじき)に最適でした」。

霊光で会った霊光農業技術センターのリュ・ギョンイン係長(44)は霊光では名節だけでなく日常的にも松餅を食べたと教えてくれた。一個食べてもお腹がいっぱいになるように大きく松餅をこね、これを「モスム(=雇われて耕作する男性のこと)松餅」と呼んだという。松餅を手の平ほどの大きさに作る伝統はまだ霊光地方に残っている。

大きさだけでなく霊光の松餅の特徴は他にもある。米粉の生地にカラムシの葉を入れる点だ。忠清道(チュンチョンド)地方に自生するカラムシの一種「セモシ」の茎は夏服の生地の原料として使われる。しかし、全羅道で育つ「チャムモシ」は茎がやわらかくて繊維を作るのに向いていない。その代わり、チャムモシは食材として脚光を浴びた。

リュ係長は「チャムモシはもともと雑草扱いされていた草だった。ところがチャムモシの葉を餅に入れたところ、鮮やかな色が出て傷みにくくなる効果もあり、次第に松餅に使われるようになった」と説明した。

家で作って食べていたこの苧葉松餅を初めて商品として出すようになったのは霊光邑の「ソウル餅屋」の店主ソン・ミョンスンさん(2014年死去)だった。1977年、ソウル餅屋で苧葉松餅を売り始め、80年に入ってからは霊光邑に5~6カ所の餅屋を構えて苧葉松餅を売った。

母親の後を継いで現在ソウル餅屋を運営しているパク・ジョンドクさん(54)は「90年代には都市に出て行った霊光の人が名節になるたびに電話で餅を注文した。宅配がない時代だったので高速バスで全国に餅を送った」と話した。霊光の苧葉松餅が口コミで全国に広まり霊光の餅産業も毎年のように成長した。2000年40カ所に過ぎなかった餅屋が2011年63カ所、ことしは128カ所に増えた。

◆作る楽しさ、食べる楽しさ

先月中旬に訪ねた霊光はすでに名節の雰囲気で浮き立っているようだった。秋夕のかき入れ時を控え、それぞれの餅屋は蒸し器が乾く日もなく松餅づくりに精を出していた。霊光邑に位置する餅屋「トクボネ」も従業員6人が松餅をつくって、蒸して、冷凍保管するのに追われた。代表のテ・ギュンニョンさん(54)は「秋夕の注文量をこなすために一日米粉400キロ分の松餅を作っている」と紹介した。

「苧葉松餅は最近流行りの言葉でフードマイレージがゼロの食品です。米・カラムシの葉・豆・塩・砂糖など5種類の材料を使っていますが、砂糖を除きすべて霊光で生産した食材です」。

霊光郡は2006年に苧葉松餅に関する条例を制定して霊光で生産された材料を使わないと「霊光苧葉松餅」の名称が使えないようにした。ただし、松餅に入れる杏色の豆「ササゲ」は輸入産でも使えるようにした。霊光地域の餅屋が1年間に消費するササゲの量は780トンだが霊光のササゲの生産量は260トンに過ぎないためだ。松餅の苧葉含有量が20%以上で、松餅一つの重さが60グラムを越えなければならないという規定もある。霊光の苧葉松餅が黒に近い深緑色を帯び、他の地域の松餅より2~3倍大きいのはこのためだ。

霊光の餅屋80カ所が力を合わせて作った社団法人「霊光で苧葉餅を作る人々」が松餅体験プログラムを運営している。プログラムに参加すればカラムシ畑とササゲ畑を見学でき、5~10月にはカラムシの葉の刈り取りも体験できる。自分で収穫したカラムシの葉で松餅を作る体験もできる。

同法人事務室に併設されている作業室でちょうど体験学習が行われていた。シン・グァンス代表(60)が1日講師として登場し、子供たち10人と一緒に苧葉松餅をつくった。横で松餅作りに参加してみた。松餅を作ればその場で蒸して食べることができた。

カラムシの葉の香りが立ち上る餅がなんとも芳しかった。餅の中にまるごと入っているササゲは淡泊な味がした。味が刺激的ではないためついつい手が伸びた。私の手で作ったからかとても美味しかった。大きく浮かんだ中秋の月のように、分厚い松餅を食べて残りの2016年も最後まで無事に過ごせるよう祈願した。

●旅行情報=ソウル市庁から全羅南道霊光郡庁まで車で3時間30分所要。社団法人「霊光で苧葉餅を作る人々」が霊光苧葉松餅作り体験プログラムを運営している。一人あたり苧葉松餅20個を作ることができる。作った餅はその場で味わうか家に持ち帰ることができる。1人5000ウォン。要事前予約(電話)/061-351-8685。霊光苧葉松餅は地域特産物オンライン市場「ノンマド」(nongmard.com)でも注文することができる。霊光苧葉松餅20個(1.2キロ)1万ウォン(別途配送料3500ウォン)。問い合わせ02-2108-3410。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2016年09月02日 14:26
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