統営の島々に吊り橋、観光客呼ぶ名所に

「ああ怖い。１歩も行けない。どうかちょっと揺らさないで…」

１６日午前、慶尚南道統営市欲知面（キョンサンナムド・トンヨンシ・ヨクチミョン）の「レンゲのように咲いた」蓮花島（面積１７２万平方メートル、人口２０９人）の吊り橋。ホ・ジンさん〔５５、ソウル市銅雀区（トンジャクク）〕の娘が先に行った母親・兄が体を動かして橋を揺さぶると、そばにいた父親の腕をぎゅっとつかんで大声を張り上げた。ホさんは「家族が一緒にスリルのある橋を渡ると面白い」と話した。

蓮花島は統営港旅客ターミナルから航路で１時間の所にある島だ。５年前、高さ３０メートルの吊り橋（長さ４４メートル、幅１．５メートル）ができたが、歩いてみるとまるでバンジージャンプ台に立ったようにめまいがした。下には海が広がりさわやかな風が吹いている。大人が通り過ぎれば橋が上下に揺れる。

平日なのにこの日吊り橋には１０人余りの観光客がいた。橋を揺らしてみたり記念写真を撮ったりしながら楽しいと話していた。イ・ギョンエさん〔５２、釜山金井区（プサン・クムジョング）〕は「まるで海の上を歩いている感じ」と話した。

統営の島につくられた大小の吊り橋が観光客の誘致に孝行息子の役割を果たしている。統営市は２０１１年蓮花島、２０１２年に欲知島（ヨクチド）、２０１３年蛇梁島（サリャンド）、２０１４年烟臺島（ヨンデド）～晩地島（マンジド）に吊り橋を作った。その後、統営の４４の島の訪問客は２０１０年１２８万３０００人から昨年は１９１万３０００人に４９％増えた。

蓮花島・欲知島の訪問客は２０１１年２９万人余りから昨年は３８万９０００人余り、烟臺島～晩地島は２０１３年４万１０００人から昨年は１０万６０００人に増えた。蛇梁島は２０１３年１３万９０００人から昨年は１８万７０００人に観光客が増加した。

蓮花島の吊り橋は統営八景の最初である龍頭（ヨンマリ）岩から行く関門だ。龍頭岩は１匹の龍に似ている。龍頭岩をよく見るには島で最も高い蓮花峯（２１２メートル）に登らなければならない。蓮花島船着き場→蓮花峯→吊り橋→龍頭岩→船着き場までは歩いて３時間３０分かかる。この岩は海に向かって合掌した海水観音像がある報徳岩からも見ることができる。報徳岩は船着き場近くの蓮華寺とともに仏教信者が多く訪れる所だ。タク・ソンス里長は「吊り橋ができてから仏教信者はもちろん一般観光客の訪問もたくさん増えた」と話した。

統営市は昨年１１月から蓮花島と牛島（ウド）をつなぐ吊り橋（長さ３０９メートル、幅２メートル）も建設中だ。２０１８年４月に完工する。船から眺めれば左側の大きい島が蓮花島、中央に半円形の無人島がバンハ島、右側が牛島だ。統営市は蓮花島～牛島の吊り橋が海上の新たな名所になると期待している。

蓮花島から船で３０分の距離にある欲知島（面積１２７４万平方メートル、人口１６５５人）は頭尾島（トミド）と上・下老大（ノデ）島、牛島、蓮花島など９つの有人島と３０の無人島を持つ欲知面の主島だ。この島に２０１２年につくられた吊り橋も人気だ。長さ３０メートル、幅１．５メートルの橋で海辺の垂直絶壁４０メートルをつなげて一層くらっとするスリルを味わえる。ヤン・ギョンウオンさん〔５１、昌原市（チャンウォンシ）〕は「吊り橋の中間で強烈な風が吹いて、ストレスが一度に洗われていくような気持ちだった」と話した。「大学の同期らと共に来た」というアン・ヘギョンさん（５４）は「橋で友達と行き来すると若い頃のロマンがよみがえる気持ちだった」と話した。統営市は欲知島で最も高い天旺峰（チョヌァンボン、３９２メートル）に登るモノレールの設置も推進中だ。

キム・ドンジン統営市長は「島を自然そのまま保全しながら最小限の開発で観光客を誘致し、食などを追加開発する」と話した。