韓国正式配信前の「ポケモンGO」ができる束草(ソクチョ)・蔚山(ウルサン)って？

７月６日のリリース以来、目下世界をゆるがす大ブームとなっているスマートフォンアプリケーションゲーム「ポケモンGO」。
先立って正式配信されたアメリカに次いで、日本国内でも７月22日の正式配信からこの方、大流行している。
では、韓国ではどうだろう？

韓国ではまだ正式配信されていないが、なぜか束草(ソクチョ)、蔚山(ウルサン)という一部地方ではこのゲームを利用することができるらしいという情報がSNSなどを通じて拡散・共有されている。

ハフィントンポスト韓国版によると、正式公開前にもかかわらず束草(ソクチョ)で「ポケモンGO」ができる背景には、開発元が作成した地図情報が関連しているという。
Google Mapsのデータをもとに全世界の地図をひし形のセルで区切っているが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との軍事境界線に近い束草は、セル上で韓国ではなくなんと北朝鮮に含まれている。
韓国は軍事安保上の理由により海外への地図情報持ち出しを厳しく規制しているのに対し、実は北朝鮮は2013年からGoogle Mapsを解禁しているため、皮肉にも束草で利用可能になっているということのようだ。

このような背景から「ポケモンGO」ダウンロード数はすでに100万を突破し、多くの韓国ゲーマーたちが「ポケモン、ゲットだぜ！」を叫ぶために利用可能地域に押し寄せていると連日話題だ。
それでは、日本人にはあまり聞きなれないこの「束草(ソクチョ)」という所はいったいどんなところなのだろうか？


■「韓国のポケモンGO聖地」といわれる「束草(ソクチョ)」ってどんなところ？
束草(ソクチョ)は、ソウルから約206km、高速バスで約２時間半の距離にある、東海(トンヘ、日本海)に面した江原道(カンウォンド)の代表的リゾート地。海水浴場もあり、夏には韓国中から多くの観光客が訪れることで有名だ。
ご当地グルメも韓国風イカ飯(オジンオスンデ)や刺身など絶品海鮮料理が豊富。
また、大ヒット韓国ドラマ「秋の童話～オータム・イン・マイ・ハート～」の主要ロケ地でもある。
四季折々の絶景が楽しめる人気観光スポット、雪岳山(ソラクサン)国立公園は、ケーブルカーで展望台まで行ける初心者向けコースが人気だ。

観光地・束草(ソクチョ)にとっては年一番のかきいれ時の今、このふってわいた幸運を見逃すはずはない。
束草市長も事実を確認するために市長室で「ポケモンGO」を試し、その時の動画をネット上にアップロードしたほどだ。


■「第二の束草」蔚山(ウルサン)ってどんなところ？
最近になって、東海(トンヘ、日本海)岸の蔚山(ウルサン)艮絶岬(カンジョルゴッ)、慶尚北道(キョンサンプット)鬱陵島(ウルルンド)、南海(ナムヘ、東シナ海)岸の慶尚南道(キョンサンナムド)固城郡(コソングン)など海岸沿いの町でも、「ポケモンGO」を利用できるという情報が流れている。
特に蔚山艮絶岬には利用可能情報が拡散して５日ですでに３万人以上の韓国ゲーマーたちが押し寄せ、蔚山市では艮絶岬に急遽Wi-Fiを設置するなどして、予想外の「観光特需」に対処しているようだ。

蔚山は、ソウルから約385km、高速鉄道KTXで約２時間20分の距離にある大きな街。現代自動車や現代重工業など韓国を代表する大企業・現代(ヒョンデ)グループのお膝元として発展した工業都市で、中心を流れる太和江(テファガン)を境に内陸エリアと海岸沿いエリアに大別でき、海岸沿いにある日山(イルサン)海水浴場は夏に人気だ。
艮絶岬は東海岸でもっとも早く日の出を見られる日の出の名所として知られ、新年には韓国各地から多くの人々が初日の出を拝みに訪れる。そのため周辺は公園として整備されており、シーサイドビューが楽しめる雰囲気のよいレストランやカフェ、韓国料理店も多数点在している。


ソウルから交通手段を利用して２～３時間で行くことができる束草と蔚山。
夏に韓国旅行の予定がある「ポケモンGO」のゲーマーは、日本でない韓国でポケモンをゲットしてみるのも一興だろう。