韓日軍事交流協力強化へ、情報保護協定締結はまだ

韓国と日本が、韓国国防部と日本防衛省に設置された直通電話（ホットライン）を補強するなど軍事協力を強化していくことにした。

韓国国防部の韓民求（ハン・ミング）長官と日本の中谷元防衛相は４日午後、シンガポールで開催中の第１５回アジア安全保障会議で個別に会い、韓日国防相会談を行ない両国の国防交流と協力増進のため話し合った。

国防部当局者は「両国長官は３月の韓米日首脳会談で３カ国間の協力を増進することにした趣旨に基づき韓日間、韓米日間の安保協力進展の重要性に共感した。両長官は韓半島（朝鮮半島）情勢を評価して北朝鮮の核とミサイルの脅威に備えた韓日、韓米日共助の必要性を強調した」と説明した。その上で「北朝鮮の非核化のために対北朝鮮制裁の徹底した履行が重要だということで意見が一致した」と伝えた。

両国はこの日の会談で高官級交流を含めた相互理解と信頼増進のために今後も訓練の相互参観と対海賊作戦遂行時の協力、部隊間交流、Ｐ－３Ｃ海上哨戒機など航空機と巡航訓練艦隊訪問、軍楽祭の相互参加など可能な分野で協力を強化していくことにした。中谷防衛相は「韓民求長官に年内に日本を訪問してほしい」と招請し、これに対し韓長官は「日本訪問が実現するよう努力したい」と答えた。これにより韓日間の軍事交流が大幅に拡大されるものとみられる。しかし韓日間には歴史問題と独島（ドクト、日本名・竹島）領有権をめぐる対立があり、韓長官の日本訪問が実現されるかが注目される。

中谷防衛相はこの日の会談で韓日情報保護協定の必要性を再び強調した。これに対し韓長官は「韓日間の情報保護協定締結は環境作りが重要でこのために韓日両国が相互に努力しなければならないという立場を伝えた」と国防部当局者は伝えた。別の当局者は「まだ韓日間で直接軍事情報交流をするには時期尚早という意味」と説明した。

これに先立ち冒頭発言で中谷防衛相は「４月に熊本地震があった時に韓民求長官（韓国）がＣ－１３０でミネラルウォーターと即席ごはんを支援してくれた。被災者はとても感謝している」と謝意を伝えた。以下は韓長官と中谷防衛相の冒頭発言。

中谷元防衛相：久しぶりだ。

韓民求国防部長官：きょうのシャングリラ対話で中谷防衛相に会い再び韓日防衛相会談をすることになり喜ばしく考える。熊本地震で多くの被害を受け苦労する被災者に慰労の言葉を申し上げる。

中谷防衛相とは昨年ここで４年ぶりに韓日国防相会談をしたが、その後現在に至るまで対面して３回、北朝鮮の核状況と関連した電話まで含めれば５回目の会談だ。韓国と日本が近い隣国で価値と理念を共同で指向する関係があるから可能なことだと考える。

きょうまた韓日防衛相会談、引き続き韓米日防衛相会談をすることにしたが、こうした機会を通じて韓日国防当局間の協力がさらに緊密になる契機になるよう望む。

中谷防衛相：韓長官、久しぶりだ。韓国に昨年行ったがその時友好的な会談ができた。きょうもこのように会えて喜ばしく思う。

４月に熊本地震があった時に韓民求長官（韓国）がＣ－１３０でミネラルウォーターと即席ごはんを支援してくれた。その時被災者に伝達できない状況だったが被災者は非常にありがたく思っている。韓日間には多様なレベルで対話と訓練、昨年には軍楽隊が日本に来た。交流が進んだと考える。きょうは率直な意見交換を通じ今後の協力がしっかり確実にできたら良いだろう。