韓国の代表的美術館に初の外国人館長 … 美術界のヒディンクになるか

１年以上空席だった国立現代美術館長にバルトメウ・マリ・リバス（Ｂａｒｔｏｍｅｕ　Ｍａｒｉ　Ｒｉｂａｓ）元スペイン・バルセロナ現代美術館（ＭＡＣＢＡ）館長が任命された。文化体育観光部傘下の文化芸術機関代表に外国人が選ばれたのは今回が初めてだ。文化体育観光部は「７月から実施していた公開募集の手続きと書類・面接審査などを経て推薦された任用候補者についての身元照会などを経て、最終的にバルメウ・マリ・リバス国際近現代美術館委員会会長を任命する」と２日発表した。

バルトメウ・マリ・リバス新任館長はオランダの現代美術センター「ＷＩＴＴＥ　ＤＥ　ＷＩＴＨ」の芸術監督（１９９６～２００１）、バルセロナ現代美術館の館長（２００８～１５）など歴任し展示企画や美術館運営でキャリアを積んだキュレーター兼行政家だ。文化体育観光部は「バルセロナ現代美術館に７年間館長として在職しながらスペインの経済危機の中でも観覧客数と入場収益を増やして海外の有数機関との協力を拡充し美術館の経営能力を見せた。これを基に国際近現代美術館委員会会長職をつとめて現代美術に対する専門性はもちろん幅広い世界的なネットワークを構築してきた」と選定理由を明らかにした。

文化体育観光部は「法人化の推進を通じて国立現代美術館の専門性と自律性を向上し、幅広い改革を通じて世界的基準に合うように美術館の組織と先進型の運営体系を構築する」と期待した。

バルセロナ現代美術館長の在任中に広がった「獣と主権者（Ｔｈｅ　Ｂｅａｓｔ　ａｎｄ　ｔｈｅ　Ｓｏｖｅｒｅｉｇｎ）」展示会のスキャンダルで今年３月に館長職を自主的に辞任した背景について文化体育観光部は「面接時に本人が先に明らかにした」として「『美術館を保るための館長としての選択であり事態に対する責任を負って辞任した』という本人の釈明を綿密に検討した後、任命を最終決定した」と明らかにした。

一方、美術界からは不透明な選任過程に異議を提起する雰囲気だ。７月の１次公募の過程で優先順位に上がった候補者が適格者ではないとの理由で脱落し記者会見を行うなど雑音が激しかっただけに、より慎重で妥当な選抜進行によって美術界の衆知を集めた人物が新任館長に選ばれることを希望した。２次公募の最終候補者に上がった外国人１人と韓国人２人に関する非難が流れ出ると、美術界は「美術館はサッカー場か」として否定的反応を見せてきた。

イ・サンナク現代美術館会長は「いっそ美術界のヒディンクになったら良いだろう」として「政府がこれまでおろそかにしていた国立現代美術館に惜しまない支援をするきっかけにしよう」と提言した。イ会長は「すでに光州（クァンジュ）ビエンナーレ総監督に外国の専門家を迎え入れた例があり、今年は清州（チョンジュ）国際工芸ビエンナーレ特別展の芸術監督としてフランスの作家アラン・ド・ボトン氏に委嘱した例があるが、それは単発行事だった」と一線を引いた。館長は国内外の行政業務をはじめ多様な展示を企画・進行して責任を負い、それに必要とされる予算を数年にわたって直接関わり執行する職だ。国際的知名度がある館長が来たところに作品購入予算も先進国レベルに増やし、展示の質も高めながら国立現代美術館の国際化を実現できる画期的な支援策が期待される。

マリ新任館長の任期は２０１８年までの３年で、１４日に文体部長官から任命状を受けて業務を始める予定だ。