韓国舞踊「宗廟祭礼楽」、仏パリで拍手喝采…韓仏相互交流で文化イベント

「タッ、タッ、タッ」。拍子木が３回鳴った。うつ伏せの虎の形をした楽器「ギョ」の背中をなでおろす「ガラガラ」という音も終わった。楽士とダンサーたちの動きが止まった。舞台と客席にはしばらく沈黙が流れた。おごそかな静けさだった。引き続き、穏やかに拍手がわき起こってくると音はますます大きくなった。ゆっくりと抑制された音楽と踊りが長い稜線のように清潔に繰り返された夢のような時間から、人々は再び現実へと戻った。

１８日（現地時間）午後、フランスのパリ国立シャイヨー劇場（Ｔｈｅａｔｒｅ　Ｎａｔｉｏｎａｌ　ｄｅ　Ｃｈａｉｌｌｏｔ）の大劇場。来年の韓国・フランス修交１３０周年を記念する「韓仏相互交流の年」開幕公演である「宗廟祭礼楽」が西洋芸術の本場パリで公開された。アンコールはなかったが、格にふさわしい印象的なデビューだった。「孝」を根幹とした朝鮮の儒教社会、高尚な人文化の核心を壮厳に実現した舞台は２つの国家間交流の歳月と信頼の厚さを振り返ろうとする重厚な時間をプレゼントしてくれた。

ベルナール・フェーヴル＝ダルシェ（元アヴィニョン演劇祭執行委員長）は「韓仏相互交流の年」が持つ意味に合致した重みのある作品」としながら「韓国芸術の中の最高品位を持った総合芸術を見せてくれて感謝する」と話した。アンリ・ペルー（「ここに韓国がある」フェスティバル舞踊顧問）は「巨大な海、偉大な砂漠を渡ったように、心に大きな響きが起こった」と評した。

「韓仏相互交流の年」組織委員会（チョ・ヤンホ委員長）が企画して国立国楽院（キム・ヘスク院長）がプロデュースした「宗廟祭礼楽」は、１８日の全席招待に続き一般公開された１９日の舞台は１２５０席が全て早いうちに売り切れた。フランス語の解説パンフレットと字幕で音楽と踊りの意味の理解を助け、実際の祭礼が繰り広げられる野外空間「宗廟」の映像を導入部に上映して儀式の雰囲気を生かした点が観客の好評を得た。

チェ・ジュノ芸術監督は「今回の公演は演奏者５０人、舞踊団３５人など８５人の芸術団員と専門製作陣を含め計１２０人が参加した史上最大規模だった」と明らかにした。音楽と踊りの「イルム」全体を原形に忠実に再現した。チェ監督は「フランスの公演芸術専門映像製作会社ベレール・メディアとの協業で年内に欧州地域での放送も行う予定」と明らかにした。

この日の公演に先立ち開かれた記念式典で、フランスのフルール・ペルラン文化通信部長官は「私にとってますます大切な国として近づく韓国の伝統総合芸術の真髄をフランス国民と共に楽しめる特権と感動を享受した」と話した。韓国系養子縁組出身であるペルラン氏は、生んでくれた国と育ててくれた国の友情を明るい顔で称賛した。

一方、公演が終わった後ロビーに出てきた観客たちは、窓の向こう側のエッフェル塔で繰り広げられたサプライズショーに感嘆の声をあげながら両国親善の夜を楽しんだ。太極旗とフランスの三色旗がかかったエッフェル塔は、３回にわたり太極模様と３色色彩の華麗な照明ショーをプレゼントした。広場では思いがけない光景に興奮した若い観光客たちが「テーハンミングク（大韓民国）」を連呼するなど祭りの雰囲気だった。両国を行き来して行われる相互交流文化行事は来年の年末まで公演・展示・映画・文学など１５０余りのイベントが続く。