＜ロッテ経営権紛争＞沈黙が長くなる辛総括会長…認知症薬服用説広がる

辛格浩総括会長の立場では、紛争の相手となっている次男の辛東彬（シン・ドンビン、重光昭夫）ロッテ会長が韓日ロッテグループの経営権の行方に大きな影響を及ぼす可能性があるＬ投資会社の代表取締役に就任したが、特に反応を見せていないからだ。

こうした中、辛格浩総括会長がアルツハイマーの薬を服用しているのではという話まで出ている。アルツハイマーは認知症を引き起こす疾患だ。ロッテグループ側は９日、これに関連し、「年を取れば健康補助剤をはじめ、いろいろな薬を服用するのは自然なことだ」とし「アルツハイマー薬を服用しているかどうかは確認していない」と慎重に述べた。にもかかわらず辛格浩総括会長の健康に異常があるというのが、ロッテグループ内部の一般的な見方だ。

最近、辛格浩総括会長に対する直接的な非難を自制しているが、先月、辛東彬会長が父の辛格浩総括会長を日本ロッテホールディングスの代表から解任した当時、ロッテグループ側は辛格浩総括会長について「高齢で挙動と判断が難しい状態」と強調した。

アルツハイマーの薬を服用しているかどうかに関係なく、辛格浩総括会長の健康状態が以前とは違うという点には異見がない。２０１３年１２月に辛格浩総括会長が股関節の手術を受けた後、うっかりする瞬間が増えたという評価だ。辛格浩総括会長はこれまで大きな病気なく過ごしてきたが、自分の執務室であり居住空間のロッテホテル３４階で倒れ、ソウル新村（シンチョン）のセブランス病院で緊急手術を受けた。

実際、股関節の手術を受けた後は挙動も不自由になった。手術前は随行秘書を連れて自分の足で歩きながらソウル小公洞（ソゴンドン）のロッテ百貨店本店を見回ったりしたが、最近は車椅子に頼ることが多い。「定期的に腎臓透析を受けている」という側近の証言が出始めたのも股関節の手術後のことだ。韓国と日本を１カ月ごとに行き来する「シャトル経営」を中断したのも、辛格浩総括会長の体力がこれに耐えられなくなったためと分析されている。辛格浩総括会長は２０１１年初めまで韓日両国を行き来し、両国の事業場を管理した。ロッテグループ社長級の関係者は「代表らの間では『総括会長は１週間に半日ほどだけ意識が清明であるようだ』と話したりもする」と伝えた。グループ政策本部の関係者も「２０１３年に辛東主（シン・ドンジュ、重光宏之）前副会長が父の意に反してロッテ製菓の株式を買い集めたのも結局、父の意識が以前のようではないという確信なしにはできないこと」と指摘した。

健康異常説が絶えず、辛格浩総括会長が系列会社の登記取締役からも退くべきではないだろうかという指摘も出ている。辛格浩総括会長は現在、ロッテショッピング、ホテルロッテをはじめ、グループ内の核心系列会社７社で登記取締役となっている。