韓国“日本スイーツの空襲”…有名ブランドの誘致競争が激化

ここまでくれば「日本のスイーツの空襲」と言える。売り上げが垂直上昇している。有名スイーツブランドを誘致するための百貨店の競争は戦争水準だ。ソウルのカロスキルや弘大（ホンデ）の名店誘致、地方の有名ベーカリー聘競争、多様な海外スイーツブランド誘致に続く“第４次スイーツ戦争”だ。

ロッテ百貨店本店は８日から１４日までラスクで有名なガトーフェスタハラダの期間限定ショップを開く。年間売り上げ１８００億ウォン（約１９５億円）、日本でも１時間以上列に並ばなければ買えないという有名店だ。

ロッテ百貨店のイ・ハンサン食品コンテンツ開発担当首席バイヤーは、「日本の百貨店で有名ファッションブランドを抜いて売り上げ５位に入る店。昨年４月から日本の人脈を総動員して力を尽くした末にようやくテストショップを開くことになった」と話した。お客に試食を勧める方式や、表情や手ぶりまで本社基準に厳格に合わせなければならないという日本側の意向により韓国語もできない日本人販売社員も３人が常駐する。

クリームパンも日本スイーツ戦争のひとつの軸だ。ロッテ百貨店、現代百貨店、新世界百貨店が広島を中心に３代にわたり「くりーむパン」を作っている八天堂のショップを同じ日にオープンし、それぞれ「私たちが先に持ってきた」と掲げたのだ。各百貨店が神経戦を行うほど売り上げも高い。「やわらかな感触を楽しみ冷やして食べるくりーむパン」というコンセプトで、午後３～４時には品切れになるほど人気だ。１個当たり２８００ウォンという値段だが週末には１店舗当たり６０００個以上が売れる。

売れ行きが好調で販売割合も急速に拡大している。現代百貨店本店の場合、日本のスイーツの売り上げ割合が２０１２年にはスイーツのうち１％にすぎなかったが、今年１～２月には１３．５％に上った。新世界の場合、２０１２年には日本のスイーツの取り扱いがなかったが、今年はスイーツ売り上げの７．９％が日本のスイーツだった。

スイーツ売り上げ１位も日本のブランドだ。現代百貨店では２０１３年８月にショップを出した日本のロールケーキ店のモンシェールがこれまでのすべての売り上げ記録を塗り替え不動の１位を守っている。新世界は日本のチョコレートブランドのロイズが先月にはバレンタインデーもあり６億ウォンの売り上げを上げた。スイーツマーケティングに心血を注いできた百貨店業界は日本のスイーツに注目するほかない状況だ。

なぜ日本のスイーツばかりが人気を集めるのか。新世界百貨店Ｆ＆Ｂチームバイヤーのチョ・チャンヒ氏は、「日本スイーツは刺激的ではなく韓国人の口に合う」と話す。甘すぎたり油っこい欧米のスイーツと比べ日本のスイーツは負担がないということだ。日本は“スイーツ王国”と呼ばれるほど多様な製品と長い年月に検証を受けた老鋪が多く、選択の幅も広い。

ある業界関係者は、「２０１１年の東日本大震災以降の原発放射能への恐怖がある程度消え、北海道産生クリームをたっぷり使った製品に対する拒否感が減ったのも影響を及ぼした」と話した。

関税庁の統計によると日本産のパン・菓子製品輸入は２０１０年の１５４６万ドルから毎年減少し、２０１３年には９２３万ドルまで落ち込んだが、昨年は初めて３０％ほど増加し１１９７万ドルとなった。最近の円安も日本のスイーツ輸入の負担を減らした。

地理的に近いため新鮮な製品と原料を空輸しやすく、本社側でも品質管理をしやすい。日本旅行を通じてすでに接している消費者が多いことも長所だ。ある百貨店関係者は、「日本のスイーツブームは続くだろう。百貨店間の競争が激しくいまはブランドを明らかできないが、来月も新しいブランドを持ってくるなど、３～４社のスイーツブランドと協議中だ」と話した。