NYヤンキース球場のように…ソウルの野球場に投資の道開く

　＃１、米国プロ野球球団ニューヨークヤンキースは２００９年、ホーム球場であるヤンキースタジアムを新しく建ててオープンした。敷地はニューヨーク市が提供し、１５億ドルに及ぶ建設費用は球団がまかなった。ヤンキース球団がニューヨーク市に支払う土地使用料は４０年間で４００ドル、年間１０ドルだ。代わりに球団は観覧席や多様な利便施設に投資してサービスの品質をぐんと引き上げた。

＃２、ソウルをホームにしているＬＧツインズと斗山（トゥサン）ベアーズ球団は、ソウル松坡区（ソンパグ）の蚕室（チャムシル）野球場で年間約１２０回余りプロ野球の試合を行う。ところが野球場のフェンスについた広告から出る年間１０３億ウォンの収益金は全てソウル市のものだ。その上、斗山とＬＧ球団は３年単位でソウル市と野球場の使用契約を結ぶ。したがって蚕室野球場に長期投資をするのが難しい。

全国経済人連合会は先月、地方自治体が所有する競技場の短期賃貸契約のためにプロスポーツの発展が阻害されているとして規制改善を政府に建議した。政府もこれを受け入れて、プロスポーツ球団が２５年まで競技場の使用契約を結んで広告権も持てるようにすることにした。国務調整室は２８日、政府ソウル庁舎で経済団体の副団体長と関係部署次官が参加した「規制ギロチン（※注）」民官合同会議を開き、規制改善案を確定した。

今回の会議では、大韓商工会議所と全経連など８経済団体が改善を建議した１５３件の規制を議論して、このうち１１４件を改善することにした。議論になった２３件は追加議論を行い１６件は受け入れないことにした。チュ・ギョンホ国務調整室長は「改善することで確定した課題は後続手続きを、スピード感をもって推進し、来年上半期中には全て終わらせる」と話した。

地方自治体所有の競技場の長期賃貸と民間投資許容などのために、文化体育観光部は来年３月にスポーツ産業振興法の改正案を提出することにした。文教体育部の関係者は「ソウル市など地方自治体が合理的な賃貸料で競技場を長期賃貸し、プロ球団にも競技場を活用した収益を保障しなければならない。地方自治体が条例を改正できるよう誘導する方針」と話した。

すでに大邱市寿城区（テグシ・スソング）に建設されている大邱野球場にはサムスン側が５００億ウォンを投資してサムスンライオンズが２５年間の長期委託運営権を確保した。球場使用だけでなく広告権や駐車場収益権などが含まれている。これに対してソウル市関係者は「ヤンキースタジアムは建設費を球団が負担しており、税金で建設した蚕室野球場と比較するのは難しい。蚕室野球場は維持・管理をソウル市が担っており、広告権を渡すことは容易な話ではない」と話した。

この日の会議では創意的アイデアに基づいた宿泊業者や飲食店もベンチャー企業と認証して、創業資金の支援対象に含めることにした。またベンチャー企業が政府研究開発（Ｒ＆Ｄ）事業に参加する時には負債比率要件を緩和することにした。社会分野規制ではたった１日遅れても１カ月分の延滞金を払わなければいけなかった４大保険料（健康保険・国民年金・労災保険・雇用保険）の延滞金算定方式を１日単位に変えることにした。正規の医療関係者以外に手術を許容しなかった芸術性タトゥーサービスも規制緩和することにした。２４時間制コンビニエンスストアがないコンドミニアム・リゾートなどで風邪薬などの安全常備薬を販売できるようにした。

◆「規制ギロチン」＝ギロチン（断頭台）は１８世紀のフランス大革命時に考案された処刑器具。規制ギロチンは、非効率的や市場原理に合わない規制を一気に処理する改革方式として１９８４年スウェーデンで始まった。朴槿恵（パク・クネ）大統領は先月１５日「規制ギロチン制度を導入して、国民の生命・安全に関連のない規制は年内に１０％、２０１７年までに２０％を一括縮小する」と話した。