＜サッカー＞洪明甫氏「チャリティー試合はしなければ」…１３日にソウル蚕室で

洪明甫（ホン・ミョンボ）前サッカー韓国代表監督がまた走る。自分の名前を掲げて開催するチャリティーサッカー試合を再起の出発点とした。一部からはまだ冷ややかな視線が残っているが、悩んだ末、勇気を出した。

７月に韓国代表監督から退いて以来１５２日ぶりに公式的な場に姿を現した洪明甫氏は「最初は私の名前を掲げて始めたが、もう慈善サッカー競技は韓国サッカーが一緒に作っていくイベントに成長した。私の問題のためにここで止めるわけにはいかなかった」と説明した。

洪明甫奨学財団が主催し、ハナ銀行が後援する「シェア・ザ・ドリーム・フットボールマッチ２０１４」（以下、洪明甫チャリティー試合）が１３日、蚕室室内体育館で開催される。２００３年に始めて今年で１２回目だ。昨年まで計１３万人のファンが競技場を訪問し、募金１９億ウォン（約２億円）は生活困難者と難病患者に伝えられた。

チャリティー試合の開催を知らせるまでには紆余曲折があった。洪氏の最も大きな敵は自分自身だった。ブラジルワールドカップ（Ｗ杯）２敗１分けでグループリーグ敗退した後、洪氏はサッカー界の内外から罪人扱いされた。２０１２ロンドンオリンピック（五輪）で銅メダルをもたらした英雄がわずか２年で奈落に落ちた。洪氏が代表チーム指揮棒を下ろした後も非難は続いた。

洪氏が自分の名前を掲げたイベントの開催をためらった理由だ。克服の力は責任感から生じた。８日にソウルパレスホテルで開かれたチャリティー試合メディアデーで、洪氏は「私がＷ杯代表チームの監督を引き受ける前からチャリティー試合は続いてきた」とし「今はもう洪明甫のイベントではない。韓国サッカーが国民から受けた愛情を還元し、一方では新たな勇気も得る舞台に定着したという確信が生じた」と話した。

洪氏はスターを中心にチャリティー試合を行ってきた伝統を変え、障害者サッカー選手に目を向けた。聴覚・視覚障害、脳性まひ、知的障害など各分野の国家代表４人を招請し、サラン（愛）チームとヒマン（希望）チームに布陣させた。

洪氏は「障害者サッカー代表が経費を確保できず、８月にブラジルで開催された障害者Ｗ杯への参加をあきらめたということを後に知った」とし「その方々と私たちが今回の行事を通じて喜びと感動を分かち合えると期待している」と述べた。

洪氏の考えに共感したサッカー界内外の人たちが出場を志願した。安貞桓（アン・ジョンファン）ＭＢＣ（文化放送）解説委員（３８）がサランチーム、全南ドラゴンズＧＫのキム・ビョンジ（４４）が希望チームの監督を引き受け、男女選手と芸能人が出場選手リストに名を連ねた。

洪氏は韓国サッカーに対する懸念についても慎重に口を開いた。「最近、プロサッカー連盟と球団の葛藤、昇降プレーオフ後に問題にあったと聞いている」と話した洪氏は「今回の件を韓国サッカーとその構成員を振り返る契機にしなければいけない。私自身から反省したい」と述べた。