総理と長官１１人を任命…ＭＢ政府実質的スタート

李大統領「速やかに発足できず我々にも一抹の責任」


李明博政府が２９日、錨をあげた。

国務総理が紆余曲折の末に国会の任命同意を受けた。李明博（イ・ミョンバク）大統領は直ちに総理と長官１１人に辞令を授与した。空席が４人いることから、盧武鉉（ノ・ムヒョン）政府で長官最小数１５人からすると“歯が抜けた”政府となった。そうはいえ、大統領就任４日目にしてようやく李明博政府の陣容は一応形を整えた。

金聖二（キム・ソンイ）保健福祉家族部長官に対する国会の人事聴聞報告書が採択されず、任命が遅れた上、辞退が続いて空席となった長官３席に対する追加人選もしなければならない状況だ。このような欠陥をもって発足した背景には、総選を狙った野党の戦略的接近意図も見え隠れしていることを否認できない。しかし、新政府の青瓦台（チョンワデ、大統領府）の自ら招いた側面も大きい。

ずさんな人事検証とともに政府組織法交渉過程でスムーズにいかなかった政務的業務処理責任は一次的には青瓦台にある。李大統領も２９日、拡大秘書官会議で「多少出だしが順調ではなかった点があった」とし「我々にも一抹の責任があり（人事検証関連）資料を活用することができなかった側面がある」と一部認めた。

これまで青瓦台は「柳仁村（ユ・インチョン）を除けば財産は多い方ではない」とか「青瓦台の助けを借りることができない野党での検証システムが不足だった」という言い訳で、むしろ世論を悪化させた。ハンナラ党に対する支持率が１０ポイント以上下がった最近の世論調査の結果がその証だ。

崇実大カン・ウォンテク教授（政治外交）は「新政府が“国民がどう思うか”に対する認識が足りなかった」とし「利口な人材を使って成果を出すこと以上に国民の同意を得れば政策が推進力を得る」と言った。

李大統領はこの日「時間を浪費するのではなく、仕事をしながら改善しなければならない上、国民のために低姿勢でいなければならない」と強調した。また「国民の声を聞かないということがあってはならない」とし「秘書官たちは現場の感覚が鈍らないように務め、国民の声を聞きもらさないよう、特別に努力してほしい」と要請した。

今回の人事問題は国民の情緒に気を使わずに始まったことから国民の感情と苦言をストレートに聞かされているわけだ。カン・ウォンテク教授は「少しも早く国政の手綱を締めなければならない」と助言している。

◇国会、韓昇洙総理任命同意＝２９日、本会議で韓昇洙（ハン・スンス）総理候補者任命同意案は賛成１７４、反対９４、棄権１、無効１票で可決された。在籍議員２９８人のうち２７０人が出席、所属議員１２５人が表決に参加した統合民主党は４０人前後が賛成票を投じたものと分析されている。韓候補者の賛成率６４．４％は最近５年間の総理承認表決で最も低い数値だ。