韓国政府、秋夕に離散家族の対面推進…「北朝鮮のアジア競技大会参加支援」

政府が秋夕（チュソク、中秋）名節を機に南北離散家族の対面を推進することにした。

政府当局者は６日「人道的に緊急な対面行事をまず再開することによって離散家族の痛みを和らげ、これを機に行き詰った南北関係も改善していくという趣旨で、近く北朝鮮と秋夕対面問題を協議していく方針」と話した。離散家族の対面はソルラル（旧正月）の今年２月末に北朝鮮の金剛山（クムガンサン）で南北１００人ずつが会って以降、中断されている状態だ。当局者は「秋夕（今年は９月８日）まで１カ月程度残っているが、対面の時期は対面家族の選抜など準備状況を見守って調整するかもしれない」と明らかにした。

特に政府は、離散家族の対面に関する北朝鮮側の呼応を誘導するために、仁川（インチョン）アジア競技大会に参加する北朝鮮選手団・応援団に対して各種支援を提供することも検討している。北朝鮮が望んでいる支援・協力問題を前向きに検討するという意味だ。

来月１９日から開かれる仁川アジア競技大会に、北朝鮮は選手団と応援団の各３５０人を送ると明らかにした状態だ。南北は先月１７日、板門店（パンムンジョム）で開かれた実務接触で北朝鮮選手団と応援団の滞在日程と南北往来の手段、応援問題などを議論したが、意見の隔たりを見せて決裂した。北朝鮮は明らかに要求してはいないが選手団・応援団に対する便宜の提供や金銭的な支援を希望している。２００２年９月、釜山（プサン）アジア競技大会の時は１３億５５００0万ウォンが、２００３年８月の大邱（テグ）ユニバーシアードには８億９９００万ウォンの南北協力基金が支援された。政府当局者は「北朝鮮の態度と国民世論などを考慮するべきだが、必要な場合、数億ウォン規模の範囲で支援が可能だと考えている」と話した。

これに関連して朴槿恵（パク・クネ）大統領は７日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で統一準備委員会の初会議を開く。統一準備委は朴大統領が直接委員長をつとめている。この席では今後、南北関係の進展案とドレスデン提案の履行をはじめとする民官協力案などが集中議論される予定だ。ある関係者は「統一準備委の議論と朴大統領の光復節の祝辞などを通して今後の南北関係に対する新たな構想とロードマップが披露されるだろう」と説明した。

政府が秋夕対面などに積極的な姿勢を見せるのは、南北の対峙局面が続く場合に生じる恐れのある負担を意識しているからだ。今年初め、朴大統領は「統一大チャンス」という発言を始め統一議論に火をつけたのに続き、３月２８日のドイツ訪問中にドレスデンで対北朝鮮提案をしたことがある。当時、朴大統領は▼韓国・北朝鮮住民の人道的問題を優先解決▼南北共同繁栄のための民生インフラ構築▼南北住民間の同質性回復など３つの構想を明らかにした。