児童数急減による農漁村の小学校統廃合、ソウルでも初の事例

子供の数が減少して小学校が統廃合されるケースは、よく農漁村や地方の中小都市の問題と見なされてきた。しかし大韓民国の首都でも初めての小学校統廃合事例が出てきた。

わずか３００メートル離れたソウル衿川区（クムチョング）のシンフン小学校とフンイル小学校。住宅街密集地域にある２つの小学校は最近、児童数が明らかに減った。シンフン小は２０１０年６１５人（２４学級）の児童が通っていたが、今年は３８９人（１８学級）と４年間で３７％も減った。同じ期間にフンイル小も５８９人（２３学級）から４３１人（１９学級）に減少した。シンフン小のシン・インス校長は「出産率が低下して児童数が減るのは当然だが、やはり学区が良い江南（カンナム）地域よりも少し早目に児童数が減るようだ」と説明した。

２つの小学校は来年３月にシンフン小に統合することになった。ソウル市内で初めての学校統廃合事例だ。フンイル小の場所には３キロ離れた九老区（クログ）のハンウル中学校が移転する。「小学校だけ統合して中学校は遠く離れると不便だ」という地域保護者の嘆願が受け入れられた。

フンイル小のキム・ガムチョル教頭は「どうしても移っていく児童たちが不安に思う場合が多い」として「２つの学校の児童たちが親しくなれるように２学期から特技自慢発表会を共同で開催する計画」と話した。

児童数の減少にともなう学校統廃合が、大都市でも現実味を帯びてきた。ソウル市内の小学生数は１９９５年の８３万１２８２人から今年は４５万７５１７人と半分近く減ったが、学校数は５１２校から５９９校へと逆に増えた。統廃合事例が今後いくらでも出てくる可能性があるということだ。今年ソウルで最も少ない２１人の新入生を迎えた鐘路区（チョンノグ）のキョドン小（７学級、１１７人）でも廃校論議が起きた。

賃貸マンションなど古くなった住宅比率が高いところにある小学校も統廃合の対象に上がっている。賃貸マンションは一度入居すればほとんどが長期間居住して転入・転出の人口が少ない。自然に進学児童数が減る。今年２学期に新都市の麻谷（マゴク）地区へ移転する江西区（カンソグ）のコンジン小（１２学級）・コンハン小（１５学級）が代表的な例だ。

ソウル市教育庁のアン・ドクホ学校支援課長は「長期的に教育環境が相対的に劣悪だとか、都心空洞化が激しい鍾路区・中区地域を中心に学校統廃合が現実化するだろう」と見通した。アン課長はその一方で「小学校の適正学級の児童数（２７人）基準を超える学校も多いので、短時間に統廃合されることはないだろう」と付け加えた。

江南・江北（カンブク）の１学級あたりの児童数の偏りも大きくなっている。鍾路区（２１．２人）、龍山区（ヨンサング、２２．７人）、中区（２３人）などの江北地域よりも瑞草区（ソチョグ、２７．１人）、江南区（２５.６人）、松坡区（ソンパグ、２５．３人）など江南地域の１学級あたりの平均児童数がさらに多かった。

瑞草区のウォンミョン小（４１学級、１５２５人）の１学級あたりの児童数は３７．２人で、ソウル市教育庁が今年提示した小学校の適正学級あたりの児童数を１０人以上上回った。一方、鍾路区のスンシン小（１４学級、１３８人）の１学級あたりの児童数は９.９人にとどまった。同じソウルなのに江南と江北の１学級あたりの児童数が、場所によっては約４倍にまで広がった。これについてアン・ドクホ課長は「地方の農漁村学校統の廃合事例を参考に、（統廃合）対象校を選んで円滑に進めるためのマニュアルを作っている」と話した。