朴大統領－与野党代表３者会談、成果なく終わる…政局さらに悪化

１６日午後５時、３者会談を終えて国会のゲストハウス「サランジェ」を歩いて出てくる朴槿恵（パク・クネ）大統領はセヌリ党の黄祐呂（ファン・ウヨ）代表を主に眺めていた。隣にいた民主党のキム・ハンギル代表の表情は暗かった。朴大統領を見送って民主党関係者に会ったキム代表は、たばこから取り出したという。

予定時間より３０分長い１時間半ほど行われた国会３者会談は合意文もなく、会談内容の発表も与野党が別々に行った。民主党の強硬派議員からは「こういうことなら会談する意味がない」という言葉が出てきた。ある当局者は「会談後に状況がさらに悪化したという点で、歴代最悪の会談のようだ」とも述べた。このため、キム代表の「矛」と朴大統領の「盾」が１時間半ずっと衝突し、政局正常化はさらに遠のいたという評価も出ている。

この日、朴大統領は５月の米国議会上・下院合同会議演説当時に着たグレーのスーツ姿だった。朴大統領の服装に対し、当時は「議会の権威に対する尊重の意味を込めている」（カン・ホソプ弘益大教授）という評価が出ていた。キム代表はひげは剃らなかったが、普段とは違ってスーツにネクタイをして会談に臨んだ。しかし会談直後に国会の民主党議員総会に現れたキム代表は、スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを解いていた。

直前にキム代表は党指導部に対し、「私は７件の話をしたが、朴大統領は一つも答えなかった」と伝えた。会談は最初からすれ違った。民主党によると、朴大統領はキム代表が明らかにした「７件の要求案」の順序に合わせたのではなく、朴大統領が準備した順序に合わせて答えたという。

民主党の関係者は「キム代表は経済民主化と福祉問題を最初の要求事項として問いただしたが、朴大統領は税法の問題から答えた」と伝えた。別の関係者は「会談中はずっと朴大統領に表情がなかった。大統領は本人が準備してきた順にそのまま話した」と伝えた。

結局、大統領の謝罪問題をめぐり朴大統領とキム代表が衝突した。キム代表が冒頭の発言で準備してきたＡ４用紙を取り出し、国家情報院の大統領選挙介入などに対する国民への謝罪を要求しながらだ。１時間ほどをこの問題をめぐり神経戦を繰り広げた。

キム代表は、昨年の大統領選挙テレビ討論で朴大統領が国家情報院女性職員のコメントはなかったという趣旨で述べたと主張し、「何らかの言葉があるべき」と圧力を加えたが、朴大統領は沈黙したという。民主党の関係者は「この時、朴大統領は数秒ほど休んだ後、他の議題に話題を変えた」と伝えた。キム代表もこれに対抗してまた謝罪問題を持ち出し、執拗に回答を要求したが、朴大統領は結局これを受け入れなかった。

会談後、青瓦台（チョンワデ、大統領府）関係者は「民主党の謝罪要求は話にならない」とし「会談を決裂させるための意図とみられる。言葉では大統領選挙不服ではないというが、そのような主張をどのように信じることができるのか」とも述べた。

国家情報院改革を関しても「リスが回し車で走るように、朴大統領とキム代表が同じ言葉を繰り返した」と話した。朴大統領が「国家情報院自体の改革」を強調することに備え、キム代表が会談の現場で取り出した“ヒドゥンカード”は、０３年にハンナラ党国家情報院改革推進団が作成した国家情報院改革案だ。民主党の関係者は「国家情報院予算統制の強化など現在の民主党の主張とかなり似ている」と話した。しかし朴大統領はキム代表の逆攻勢にもかかわらず、国家情報院自体の改革とこれを通じた国会の議論という立場を守った。

会談は締めの言葉もなく終わった。朴大統領が「もう時間ですか」という趣旨で尋ね、最後の言葉もなくそのまま終了したというのが民主党の主張だ。キム代表は「会談の最後にはもう話す言葉がなかった」と伝えた。

合意文を出せず会談を終えた後、青瓦台と野党はお互いを攻撃し合った。李貞鉉（イジョンヒョン）青瓦台広報首席は「朴大統領が議会主義者としての姿を遺憾なく発揮した」と述べた。青瓦台関係者は「野党が党内の事情で提起した無理な要求を聞き入れてもらえなかったといって騒いでいる。無責任な政党だ」と攻撃した。一方、キム代表は「多くの話が行き来したが、正答は一つもなかった。談判で民主主義の回復は望めないというのが結論」と述べた。

与野党間でも攻防が続いた。会談後、黄セヌリ党代表とキム民主党代表はサランジェに残って発表方式を議論したが、結局“各自発表”となった。キム代表は議員総会で「言うべきことはすべて述べた」と伝えたが、黄代表の余尚奎（ヨ・サンギュ）秘書室長は「朴大統領が『最高監査機関の検事総長に対する疑惑が膨らめば野党が先に立ち上がって真実を究明するのが原則、道理ではないのか』と明らかにした時、キム代表はこれといった反論ができなかった」と話した。