アシアナ機事故　韓米当局が原因究明に本格着手

【ソウル聯合ニュース】米カリフォルニア州のサンフランシスコ国際空港で現地時間６日（日本時間７日）、韓国・アシアナ航空の２１４便ボーイング７７７が着陸に失敗した事故で、韓国と米国の両政府が事故原因の本格的な究明に乗り出した。原因としてさまざまな可能性が指摘されている。

米関係当局によると、この事故で中国人の１７歳と１６歳の女性２人が死亡、１８２人が負傷した。

　韓国政府が派遣した国土交通部の航空鉄道事故調査委員会所属の調査官ら事故調査対策班は、７日午前に現地に到着。アシアナ航空の調査対策班とともに、事故機の機長・副操縦士から事情を聴くなどして事故経緯を把握する方針だ。米運輸安全委員会（ＮＴＳＢ）と合同で事故原因の調査と対策作りも進める。

　ＮＴＳＢの報道官によると、ＮＴＳＢは事故機のフライトレコーダー（飛行記録装置）やコックピットのボイスレコーダー（音声記録装置）を回収した後、解析するためにワシントンの本部に送った。これらの装置には操縦士らの対話内容や飛行当時の高度、機体の姿勢、エンジンなど各種システムの作動状況などが記録されている。　

　米連邦航空局（ＦＡＡ）も調査中だ。ＮＴＳＢのハースマン委員長は事故に犯罪行為がかかわった証拠はなかったとしながらも、原因が特定されるまではあらゆる可能性を考慮すると説明した。

　事故原因についてアシアナ側は、機体の欠陥のためではなさそうだと話している。操縦士と空港管制塔側のどちらに責任があるかには言及していない。

　着陸当時、空港の自動着陸誘導装置が作動していなかったことが確認されており、航空管制システムの不備を指摘する意見がある。これは航空機が適切な角度を維持して滑走路に進入するよう誘導する装置で、作動していなければ操縦士が肉眼で着陸しなければならない。ただ、ハースマン委員長は、着陸をサポートする方法はほかにもあり、この装置が作動していなかったことが必ずしも事故原因とはいえないとした。一方で操縦士の過失の可能性についても、結論付けるにはまだ早いと答えた。

　一部の米メディアは、機長が着陸前に管制塔と交信した際、救急車が必要と話したとしながら、着陸前に航空機に問題が発生した可能性を提起した。これに関し韓国国土交通部とアシアナ航空側は、操縦士が着陸直前、管制塔に故障のシグナルなどを送っていなかったとした。乗客も事故直前に非常事態などを知らせる機内アナウンスなどはなかったと証言している。

　事故原因が最終的に確認されるまで、長ければ数年かかるとの指摘もある。