韓国輸出中小企業　既に円安の限界レベル超える

【ソウル聯合ニュース】円・ドル相場が韓国中小企業の輸出競争力確保に必要な「限界水準」を既に超えたことが分かった。

　１ドル＝１１０円まで円安が進んだ場合、中小企業の総輸出額は１４．４％減少すると予想される。

　大韓商工会議所が先ごろ輸出中小企業５００社余りを対象に実施したアンケート調査（複数回答形式）によると、中小企業が輸出競争力を確保できる下値支持線は１ドル＝１０１．１円と集計された。

　２２日に１ドル＝１０２．５円まで円相場が下落したため、多くの輸出企業が円安の影響を避けられない状況だ。

　業種別では、半導体・ディスプレー（９７．７円）、石油化学（９９．６円）、自動車・部品（９９．７円）、情報通信機器（１００．３円）、食品・生活用品（１００．７円）、繊維・衣料（１００．９円）、ゴム・プラスチック（１０１．１円）、家電（１０１．３円）など大多数の業種で下値支持線が崩壊した。

　鉄鋼（１０３．０円）、機械・精密機器（１０３．２円）、造船・プラント（１０３．５円）もほぼ限界水準に近い。

　１ドル＝１１０円まで達すると、中小企業の輸出額は平均１４．４％減少すると推計された。

　業種別では、食品・生活用品（マイナス２６．５％）、ゴム・プラスチック（マイナス２０．５％）、半導体・ディスプレー（マイナス２０．０％）と、大幅な減少が見込まれる。鉄鋼・金属（マイナス１８．６％）、造船・プラント（マイナス１３．６％）、自動車・部品（マイナス１２．５％）なども１０％以上減少すると予想される。

　同会議所は、ウォン高・円安の影響で世界市場における韓国中小企業の価格競争力が低下し、日本企業に輸出市場を奪われていると指摘した。また、韓国の国内市場の低迷も加わって、「中小企業の体感景気は急速に冷え込んでいる」と説明した。

　昨年下半期の輸出は前年同期比３．１％減少した。今年下半期輸出も円安で低迷が続く見込みだ。

　アンケートに答えた企業の４３．７％が「前年同期と同水準になる見込み」と答え、「前年同期より減る」と答えた企業も２６．３％に上った。

　下半期の輸出不安要因として多くが「円安」（３２．８％）を挙げ、「米国経済の減速」（２７．６％）、「原油価格・原材料価格の上昇」（２５．９％）、「欧州債務危機」（２５．３％）、「中国経済の減速」（１９．３％）の順となった。

　円安への対処法としては、「輸出市場の多角化」（４２．２％）が最も多く、「原価削減および生産性向上」（３９．２％）、「決済通貨の変更」（２５．４％）などを挙げた。

　下半期の輸出拡大に向けた政府の政策課題として、「為替相場の安定」（５９．７％）、「輸出マーケティング支援強化」（３３．２％）、「輸出金融支援強化」（２８．５％）などを提示した。