雲海の下に一面広がるクロフネツツジ…黄梅山の５月＝韓国・慶尚南道

ちょうど昨年の今頃、出不精の記者仲間Ａに「焼酎をおごってやるから」と言って黄梅山（ファンメサン）に連れ出しました。道中、Ａはずっとぶつぶつ言っていました。あまりのことに一発殴ってやりたい気持ちを抑えつつ、頂上にやってきました。頂上につくとＡは「山は私にとって喜喜楽楽だ」と言いながら笑いました。

黄梅山頂上のクロフネツツジ。山全体が真っ赤に染まり、瞬きをするのも惜しいくらいの絶景です。赤い香りにめまいすら覚えます。昨年、Ａと登った黄梅山のクロフネツツジは今年も見事に咲きほこり、登山客を誘惑していました。「来年も必ず来よう」と約束したＡが急に出張に行く事になり、今回は一緒に行けませんでした。非常に落胆したＡは、数日前から「ツツジの写真だけでもぜひ送ってほしい」と一日にも何回もしつこく頼むのでした。

クロフネツツジは、韓国ではチンダルレとして親しまれているアカムラサキツツジが咲いてからもずっと咲いています。クロフネツツジはすみれ色でアカムラサキツツジよりも一層濃くて鮮かな色彩をしています。

さて、邪念や雑念が消えたようです。赤さに酔った時間がどのくらい流れたでしょうか？やっと我に返ってカメラで写真を撮りました。そしてスマートフォンでも数枚撮影してＡに送ってやりました。するとＡはすぐに返事をくれました。「雲海の下、あたり一面のクロフネツツジの海だ」