韓国ベンチャー産業　２０年で輸出額１２倍に

【ソウル聯合ニュース】韓国のベンチャー企業はこの２０年間、積極的に海外市場の開拓に乗り出し、輸出の大黒柱に成長した。ただ、２０００年代に入りベンチャー業界の輸出の勢いは次第に衰えており、政府レベルの対策が必要との声も上がる。

◇技術力で世界市場を開拓

　韓国貿易協会によると、韓国ベンチャー業界の昨年の輸出額は１７７億ドル（約１兆６６９２億円）と集計された。統計が始まった１９９５年の１４億ドルから１２．６倍に拡大。同期間の韓国全体の輸出額が１２５０億ドルから５４７８億ドルに約３倍増えたのに比べ、大きく伸びた。

　ベンチャー業界の輸出を品目別にみると、半導体が１１億８００万ドルと最も多く、無線通信機器（１０億８９００万ドル）、プラスチック製品（８億６９００万ドル）、電子応用機器（８億２２００万ドル）、自動車部品（７億３４００万ドル）と続いた。自動車部品は１９９５年の３６６倍、半導体製造装備も７７倍に拡大した。ほかにも機械類や光学機器などの高付加価値製品が輸出上位１０品目に入り、ベンチャー業界の技術力と海外マーケティングの進化を示した。

　昨年の輸出先をみると、アジアが１０９億８６００万ドルで全体の６２．０％を占めた。北米向けは２３億４５００万ドル、欧州向けは２３億４１００万ドルで、ともに１３．２％だった。

◇輸出の勢いは鈍化傾向

　ベンチャー業界は活況期の１９９５～２００１年、輸出増加率が年平均２６．４％と、韓国全体の増加率（３．６％）の７倍に達した。

　しかし、２００２年に増加率が逆転。ベンチャー業界はその後、年平均１１．８％増に鈍化し、韓国全体（１３．１％）を下回っている。韓国の輸出に占めるベンチャーの割合も、１９９５年の２％から２００１～２００４年に４％台に上がった後、３％に後退した。

　ベンチャー業界の関係者は「米国のＩＴバブル崩壊後、安定を優先する傾向が生まれた。リスク負担を抱え海外市場を開拓するよりも、国内市場に安住してきた側面がある」と説明した。

　政府の政策・制度的な後押しも不十分と指摘される。

　昨年１１月にベンチャー企業協会が公表した実態調査報告書によると、海外進出時の問題点として、ベンチャー企業の２５．６％が資金不足、２３．１％が市場情報の不足、１６．７％が専門家の不足を挙げた。ベンチャー業界の輸出拡大にはまず、政府の実効性ある金融・貿易支援策が求められていることが分かる。