南北住民　相互に敵対的認識＝脱北者らにアンケート

【ソウル聯合ニュース】ソウル大学の統一平和研究院が２９日に公表したアンケート結果によると、２０１１年に韓国入りした北朝鮮脱出住民（脱北者）に「韓国は北朝鮮にとってどのような対象なのか」と質問したところ、１５．４％が「敵対対象」と答えた。一方、韓国人に対する同様のアンケートでは、北朝鮮が敵対対象だと回答した人は１７．０％だった。

　昨年のアンケートに比べ、それぞれ０．２ポイントと５．０ポイント上昇した。２０１０年の北朝鮮による哨戒艦沈没事件、延坪島砲撃事件以降、南北間で直接的な武力衝突はなかったが、北朝鮮の脅威と韓国の強硬な対応が続いているため、相手への敵対感情がやや高まったとみられる。

　脱北者のうち、韓国による武力挑発の可能性があると答えたのは５４．６％、北朝鮮の武力挑発可能性を懸念した韓国人は６８．９％だった。昨年よりそれぞれ５．５ポイントと９．４ポイント低下している。

　一方、韓国を協力対象と答えたのは６４．６％、北朝鮮を協力対象と回答したのは４７．０％で、緊張と対立が続いている中でも多数の南北住民は協力の必要性を認識していることがうかがわれる。

　韓国政府の北朝鮮への支援を肯定的に考える脱北者は７６．９％だった。一部の脱北者が主張する北朝鮮支援の不要論とは相いれない結果となった。

　アンケートは４月２日～６月２日に脱北者１２７人、７月に韓国人１２００人を対象に実施された。