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第70回~山口仁司さん(サーモスコリア)

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韓国はステンレス魔法びんの普及率がほぼ100%と、世界でも日本と並んで高い国のひとつだそう。そんな韓国で、現地法人「サーモスコリア」を立ち上げ、社長として経営全般の舵取りを行なっているのが山口仁司さん。韓国での事業展開や広告戦略、韓国ブランドとの差別化の取り組みなどについて、ソウル市・麻浦(マポ)にあるオフィスで伺いました。
名前 山口仁司(やまぐち ひとし)
職業 株式会社サーモスコリア 代表/社長
年齢 53歳(1960年生)
出身地 静岡県
在韓歴 2年
経歴 1982年、旧日本酸素(現大陽日酸)入社。30年あまりステンレス魔法瓶の営業に携わり、1996年~1998年はイギリス・ロンドン駐在(THERMOS Ltd.在籍)。2011年6月より韓国で現職に就く。
売れるはずなのに売れない!?現地法人化のきっかけ
「サーモスコリア」は今から約2年前、2011年5月に設立されました。それまでは三国間貿易という形で、韓国の代理店からの注文を日本で受注して、中国やマレーシアで生産した商品を韓国に輸出していました。
韓国人も行楽好き
韓国人も行楽好き
魔法びんというと欧米はガラス製が主流ですが、韓国はステンレス製が生活必需品として浸透しています。登山スポーツなどレジャー文化も発達しており、ステンレス魔法びんが必要とされる市場は確かに存在するため、本来ならもっと売れると見込んでいましたが、満足のいく実績が得られていませんでした。

そこで、代理店に任せず自社にて直接販売を行なうべきではないか、ということで現地法人を立ち上げることになりました。私はステンレス魔法びんが世に出た当初から約30年間、営業に携わってきました。韓国への輸出業務も担当していたので、立ち上げにも関わることになり、2011年6月に韓国に来ました。
現地法人化に当たっては、日韓で異なる好みや趣向に関して情報を集め、商品開発に取り入れていきたいという意図もありました。例えば日本女性には黒や紺など男性的な色も人気がありますが、韓国では赤系が好まれるという違いがあります。現在は基本的に日本で開発された商品を販売していますが、韓国の人々に望まれている機能やデザインがあれば現地化していきたいと思っています。

ただしそういった商品開発は、主観的な感覚や情報で決めてはならず、消費者への使用実態調査に基づいて行なう必要があります。韓国はインターネットが広く普及していますので、韓国向け商品を作る第一歩としてオンライン調査などを行ない商品企画を作っています。
普及率100%!ステンレス魔法びんが広く使用されている理由
韓国はステンレスボトルの普及率が100%近くと非常に高いですが、それには2つの理由が考えられます。1つは、かつて韓国が日本向け商品の生産拠点となっていたためです。約20年前になりますが、当時は日本より製造コストが安かったので、韓国で低価格商品を生産し日本へ輸出するということが活発に行なわれていました。

韓国産メーカーやブランドが続々と登場したのもその頃です。また、韓国の人々はステンレス製品を好むという事情があります。ランチジャーのおかず容器を例にとると、日本はプラスチック製が多いですが、韓国ではステンレス製が主流です。韓国の食堂に行くとご飯がステンレスの器で出てきますし、衛生的でさびにくいという点からも信頼度が高いのかもしれません。
百貨店内のサーモスコーナー(家庭用品売場)
百貨店内のサーモスコーナー(家庭用品売場)
韓国では現在、百貨店大型マートに代表される量販店、アウトドアショップのほか、オンラインでも販売を展開しています。日本は量販店での販売がメインですが、韓国の場合はサーモスに対する認知度とブランド・ロイヤリティを高めていきたいという理由から百貨店をメインチャネルとしています。

韓国の国産ブランドと比べると、弊社の商品は価格設定が高めですので、安価な商品を取り扱う傾向にある量販店での販売は日本に比べると多くありません。
韓国で大ヒット、山専用ボトルの使い道
韓国のアウトドアショップでは今、「山専用ボトル」が爆発的に売れています。手袋をしていても開けやすいようにフタにグリップが付いていたり、秋山・冬山での保温力を優先するため口径を小さくしたりするなど、山での利用を考えて開発された商品ですが、これが山登りブームの韓国で大人気です。

聞くところによると、山でカップ麺を食べるために山専用ボトルにお湯を入れて持っていく人も多いようです。500ccと800ccの2種類ありますが、売れ筋は800cc。カップ麺を作るのに500cc使い、残ったお湯でインスタントコーヒーを飲む、といった風に利用するとちょうどぴったりの量なのです。
中高年を中心にブームの登山
中高年を中心にブームの登山
山専用ボトル
山専用ボトル
口径が小さめで保温力が高い

(左が山専用ボトル)
口径が小さめで保温力が高い
(左が山専用ボトル)
一人1本、韓国でも広がるマイボトルの利用
割れる心配のないステンレス魔法びんは、氷を入れて保冷にも使えるため、日本では暑い季節になると冷たい飲み物を直接飲めるスポーツボトルなどの売上が伸びます。

逆に韓国では、夏場は魔法びんの需要が落ち込むシーズンです。これは、韓国人が魔法びんのことを「ポオンピョン(保温びん)」と呼ぶことにも表れていますが、魔法びんに冷たいものを入れるという習慣が少ないためです。

日本では1990年代に500ccペットボトルが登場して以来、直接口を付けて飲むスタイルが根付き、個人で利用するマイボトルタイプの商品が普及するようになりました。

コーヒー好きの人が多い韓国でも近年、携帯できるタンブラーが主流となってきており、メインターゲットもそれらを最もよく使う25~39歳の働く女性を想定しています。
軽量で持ち運び便利なタンブラー「ケータイマグ」
軽量で持ち運び便利なタンブラー「ケータイマグ」
韓国ブランドでもタンブラーを展開していますが、機能はもちろんデザインや色もオーソドックスなものが多いため、弊社の「ケータイマグ」は止水性、軽さやコンパクトなサイズ、かわいらしいデザインといった目新しさがうけています。日本ではカバンの中に入れる人が大部分ですが、韓国では手に持って歩いている人もよく見かけますね。

2012年秋には、「ケータイマグ」のターゲット世代である20~30代女性に影響力を持つタレントとしてチェ・ジウさんをモデルにマイボトルキャンペーンを大々的に実施し、雑誌掲載や地下鉄のスクリーンドア、駅構内への屋外広告を行ないました。
受験シーズンに欠かせない温かいお弁当
ランチジャーは日本未発売の商品も販売
ランチジャーは日本未発売の商品も販売
保温ランチジャーは日本同様に人気が高い商品ですが、販売時期に韓国ならではの特徴があります。年間通じて特に売れるのが、11月の大学修学能力試験(スヌン)の頃。夜遅くまで学校や塾で勉強する子どもに温かいお弁当を届けてあげたいという思いから、ランチジャーを買い求める親御さんが急増するためです。毎年10月から11月の試験直前にかけては、量販店の売場にもお弁当の特設コーナーが登場するほどです。
認知度を上げるため多様な広告手法を駆使
2012年末COEXに登場した長さ70m大型広告の一部(社内廊下)
2012年末COEXに登場した長さ70m大型広告の一部(社内廊下)
韓国は自分をアピールする手段としてブログが活発なため、ブロガーを活用した宣伝には力を入れています。例えば、気に入った商品の感想を自分のブログに書いてもらう体験談キャンペーンです。

「飲み口が分解出来て洗いやすい」など、メーカーとしても訴えたい商品の特徴を写真とともに詳しく書き込んでくれるんですね。中には一日何千人という読者を持つパワーブロガーもいるので波及効果も大きく、非常に効率的な広告宣伝ができています。
ドラマ「花を咲かせろ!イ・テベク」
ドラマ「花を咲かせろ!イ・テベク」
また、韓国ではドラマや映画のシーンに特定商品を露出させ購買意欲をかき立てるPPL(プロダクト・プレイスメント)という広告手法がよく使われますが、弊社もこのPPLを通じてドラマ「花を咲かせろ!イ・テベク」(2013)に協賛しました。

劇中、広告会社に勤める主人公が初めて担当した広告主に「百年保温(ペンニョンポオン)」という魔法びんメーカーが出てきますが、その商品としてサーモスの魔法びんが登場しています。

韓国でも環境保護に対する意識は高まっており、エコや省エネは環境にやさしいという意味で「親環境(チナンギョン)」と言われます。

魔法びんは電気を使わず保温・保冷ができる究極のエコ商品です。また、ペットボトルや紙コップは使い捨てですが、ケータイマグや魔法びんを使えばごみを出すこともありません。

広告宣伝では、「サーモスの商品を使用すること=環境保護の活動につながっている」という意識を持ってもらうことにも注力しています。
私は日本では営業一筋だったため、こうした広告宣伝に直接関わるのは社会人人生で初めてで、非常に楽しく仕事をしています。また結果的にも、宣伝だけに終わるのではなく、現在実施しているブランド認知度調査では予想よりはるかに高い数字が出るなど、効果が見える形で表れてきているので、やりがいも感じます。
アットホームで風通しの良い「チーム」でありたい
7名いる社員は私を除き全て韓国人で、日本語や英語でコミュニケーションをとっています。日系企業での勤務経験がある社員が多く、ホウレンソウや挨拶といった基本的な仕事のマナーも身についているため、業務上カルチャーショックを受けることはあまりありません。

しいて言えば、韓国には目上を敬う文化がありますが、それが過度な場合があるということでしょうか。私の都合を優先してお客様とのアポイントメントを調整してしまったということが過去にあり、以来「業務ではお客様が第一。社内ではなく社外を見るように」と話しています。
また、現場主義というのも常日頃から社員に伝えている方針です。現場に全てがあるという考え方で、マーケティングも市場で何が起こっているのかを実際に肌で感じながら進めていくようにと指導しています。私自身も月に1度はマーケティングリサーチとして百貨店に足を運び、販売員の方に今の売れ筋や、お客様からどんな声が寄せられているのかを尋ね、情報収集しています。

私は、会社は「カンパニー」ではなく「チーム」だという考え方を大事にしており、チームワークを保ちながら常に何でも言い合えるような関係を築いていきたいと思っています。もちろんけんかをすることもありますが、言いにくいことも言い合えるという、風通しが良い証拠です。実際、社内はとてもアットホームな雰囲気で、お互い助け合いながら仕事ができており、私自身も非常に助かっています。
慣れない異国生活を楽しむ秘訣は「仲間作り」
美しい景色を誇る済州島
美しい景色を誇る済州島
仕事が休みの日はゴルフを楽しんだり、妻と一緒に買い物やミュージカルを観に出かけたりしています。地方など、まだ遠方まで足を伸ばしたことがないので、今後は済州島(チェジュド)や慶州(キョンジュ)にもぜひ行ってみたいと思っていますが、「最初に一緒に行くのはやっぱり嫁さん」と決めています。
麻浦会の皆さんと
麻浦会の皆さんと
また、「麻浦(マポ)会」という麻浦エリア所在・居住の日系企業駐在員やゆかりのある韓国人が集まる会に所属していて、月に1度、会員の皆さんと食事やお酒を共にしています。

韓国に来た当初、日本人の知人が少なく、情報が得にくいという不便さを痛感しました。その後、偶然麻浦会に誘っていただく機会があり、たくさんの人と知り合うことができ、またそこで新たな繋がりを持つこともできました。
そんな経験があるので、私も新しく韓国に赴任してきた人には麻浦会の紹介をして積極的にお誘いしています。慣れない異国で仲間を作るというのは一番有効な情報源になり、遊びの幅も広がるという意味で重要なことだと思っています。
消費者視点にとどまる業界を変革、めざすは韓国ナンバーワン
現在は百貨店がメインチャネルですが、今後はさらに販路を拡大していきたいです。成長の可能性が高い量販店への展開も充実させたいのですが、韓国産ブランドや大型マートのプライベートブランドと比較すると弊社の商品は2~3万ウォン割高で、価格差が出てしまうのが現状です。商品単価が高い理由、つまり優れた性能や安全性、アフターサービスの充実といった価値を伝え、納得して購入していただける方法を模索しているところです。
韓国の人々にとって魔法びんというのは、いつもある身の回り品で、保温ができれば良いという意識がまだ高く、他メーカーやブランドも消費者の認識に合わせたレベルでしかものづくりをしていません。しかし、私たちが今後やろうとしているのは、そうした状況を変えていくことです。

環境保護に貢献できるというエコロジーの部分も含め、魔法びんの利点や素晴しさを伝え、消費者に再認識してもらいたいと考えています。

他のメーカーが取り組んでいないことをアピールできるというのは面白いことです。日本で得た知識やノウハウを生かせる機会がこれからもたくさんあると思うと非常に楽しみです。

私は「いつでも夢を」というのを仕事のモットーにしています。元々ステンレス魔法びんというのも、落とすと割れてしまうガラス製ではなく、割れない素材で魔法びんを作れないか、という夢の発想から始まったものでした。

技術開発を経て製品化を実現する過程には、もちろん苦労もあり時間もかかりましたが、今や日本だけでなく世界の魔法びん業界で「サーモス」はナンバーワンブランドになることができました。
2011年に「サーモスコリア」を立ち上げたときも、まさに一からのスタートだったわけです。社員たちには、この「サーモスコリア」においても、韓国1位になるという夢をいつも頭に描きながら、その達成に向けて努力していこうと話しています。
インタビューを終えて・・・
日本にいた頃、飲み会の最後に同僚と歌う定番ソングは橋幸夫&吉永小百合の「いつでも夢を」だったという秘話も聞かせてくださった山口さん。「サーモスコリアが将来どんな企業になっているかを思い浮かべながら、日々業務に当たっています」と語る目は、とても生き生きと、情熱にあふれていらっしゃいました。大きな夢をひとつずつ着実に勝ち取ってきた豊富なご経験と、大らかで気さくなお人柄は、チームメンバーである社員の皆さんにもきっとポジティブに作用するはず。近い将来、韓国での新たな夢が叶うことを願っています。
サーモスコリア株式会社
ステンレス製魔法びん、真空保温調理器等を中心とする家庭用品の製造・販売を行なうサーモス株式会社のグループ会社として2011年5月に設立。製品企画および百貨店や量販店、アウトドアショップ、オンラインでの販売事業を展開。
住所:ソウル市 麻浦区(マポグ) 麻浦洞(マポドン) 33-1 新韓DMビル6F
電話:02-3272-9952
ホームページ:http://www.thermos.kr/
  最終更新日:13.05.21
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