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サッカーW杯予選南北戦レポート

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晴れの日は、ハレの舞台のサッカー場へ
日本そして韓国に散らばるコネスト読者かつサッカーファンの皆様、アンニョンハセヨ。「ん?コネストって旅行情報だけじゃないの?スポーツなんて扱ってないよね?」なんて、つぶやいた、そこのあなた。アニエヨ(違います)!韓国に関することなら何でも貪欲に絡んでいくのがコネスト魂!そんなコネスト魂を携えて、今回はサッカー観戦に行ってまいりました。
対戦カードは、2008年6月22日にソウルのワールドカップ競技場で開かれた韓国対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)戦。南アフリカ共和国で開催される2010年W杯のアジア3次予選の最終戦です。3次予選の順位はすでに決まっており、両国ともアジア最終予選への進出がすでに決まった余裕がある状況です。60年を越える南北分断という不幸な歴史を抱えた韓国と北朝鮮。実は今回がソウルで初めての南北W杯予選対決なのです。そんな緊張感が漂いつつも、朝鮮半島の南北分断という不幸な歴史を克服し、分断から和解への願いをこめるイベントという側面にも注目が集まったのでした。

リラックスした様子の赤いサポーターたちと…
さて、キックオフから1時間半前の会場付近の様子。韓国代表のチームカラーである赤を身にまとった人々でいっぱい。どちらかというと、若い人の方が目立つでしょうか。競技場周辺だけではなく、地下鉄最寄駅のワールドカップ競技場駅からすでに韓国サポーターで埋め尽くされていました。この日は一日中お天気が良かったせいか、近くの噴水で涼を取るサポーターもいて、全体的に和やかなムードの風景が見られました。一方、運営サイドとしては、南北対決は他国との試合より、一層、神経を使うものらしく、警備陣がしっかり待機した万全の開催準備がとられていました。
見渡す限り、赤、赤、赤 暑いんだから、涼まないと 休日出勤、お疲れさまです

入場前からお祭り気分
今日の試合結果に関わらず、どちらも最終予選には進出できるとあって、会場の雰囲気は真剣勝負というよりお祭りムード。普段はKリーグの結果を投票するTOTO(サッカーくじ)が南北戦限定の特別くじを販売するかと思えば、その傍らで、ボールを的めがけてシュートするキックターゲットも行われており、試合開始までのお客さんたちを楽しませていました。また、車両に備え付けられた移動式のATMなんていう珍しいものまで見かけることができました。
さて、結果はいかに? ちゃんと当ててくださいね 車の中にATMだなんて!

試合結果を予想してもらいました!
さて、せっかく試合を見に来たのだから、サポーターに試合結果の予想を聞いてみましょう。

グループ1

「2対0で、韓国の勝ち。別に北朝鮮だからって特別な意識はないよ。もうそんなの意識するのはダサいんじゃないかな」

グループ2

「2対1で、韓国の勝ち。え?北朝鮮に点を取られてもいいのかって?
次に進めるのは決まってるんだから、ただの試合相手だよ。負けてしまっても構わないくらいにね」

グループ3

自称サッカー専門家の猫ガオ青年「2対1で韓国の勝ち」
隣の女の子「点差はどうでもいいけど、韓国が勝たなきゃダメ!!」
なるほど、韓国が勝つ予想をするのは当然としても、北朝鮮に対する特別意識を若い人たちはあまり持っていないんですね。事前にメディアで報道されていたような、厳しい対決姿勢とはまったく正反対で、拍子抜けするくらいでした。

競技場内の応援ムードは?
67,000名もの大人数を収容できるワールドカップ競技場ですが、試合開始の時点では二階席上方に空席があったものの、たくさんの観衆が押しかけました。特に韓国側の応援の迫力といったら、2002年に聞きなれた「テーハンミングッ(大韓民国)!!」の大合唱で耳なりがしそうなほどでした。
北朝鮮側の応援席には、北朝鮮から訪れた応援団がいなかったために、それほど広くない区域が割り当てられていました。しかしながら、その狭いエリアでは「同じ民族同士手を取り合って歩いていこう」と両国ともを応援する韓国人有志たちと、日本から来た在日朝鮮人による応援が熱心に繰り広げられていました。こちらの掛け声では「イギョラ、イギョラ(勝て、勝て)!!」という応援だけでなく、「ウリヌンハナダ!!(我々は1つだ)」、「祖国統一!!」なんていう掛け声も響いていました。

注目の出場選手を紹介
北朝鮮代表の選手には、2名の日本生まれ、日本育ちの在日選手がいます。Jリーグの川崎フロンターレに所属のチョン・デセ(鄭大世)選手と、同じくJリーグに所属したことがあり、韓国のプロリーグであるKリーグで活躍するアン・ヨンハッ(安英学)選手です。2人とも今回の予選では主力として活躍しています。特にチョン・デセ選手は、日本で生まれ育った韓国籍在日コリアンでありながら、北朝鮮代表を選んだという経歴と、FWとしての並外れた得点力で、韓国国内でも大きな注目を浴びています。
チョン・デセ選手 韓国選手を起こすアン・ヨンハッ選手 北朝鮮選手を起こすアン・ジョンファン選手
また、韓国代表の選手には、Jリーグ京都にも所属したことがあり、マンチェスター・ユナイテッドで活躍中のパク・チソン(朴智星)選手が欠場のため、2002年日韓共催のW杯で活躍し、その後Jリーグでも活躍したアン・ジョンファン(安貞桓)選手、現在は神戸に所属のキム・ナミル(金南一)選手などの海外組に注目が集まります。また、地元ソウルのスター選手、パク・チュヨン(朴主永)選手にも期待が集まりました。

物足りない試合展開
ホームの利と大きな体格を生かした韓国が試合のペースを終始握ります。左右にボールを散らしてゴールを伺うも、北朝鮮の守備が堅く、なかなかフリーでシュートが打てません。そんな中、セルビアで活躍するホン・ヨンジョ選手とチョン・デセ選手のコンビが時折見せる北朝鮮のカウンター攻撃はとても鋭く、対峙する韓国守備陣も激しいぶつかり合いを演じていました。このように前半後半とも進み、後半ロスタイム間際の韓国の猛攻も実を結ばず、結局、0対0の引き分けとなりました。
優れた体格を生かした空中戦でチャンスをつくる韓国 鋭くカウンターを狙う北朝鮮

ただの消化試合ではなく…統一を願う希望をしめす
残念ながら、サッカーの試合を純粋に楽しむには、ただの1度もゴールシーンのない試合内容に少し興をそがれる結果となってしまいました。しかしながら、後日の韓国メディアの論調に注目してみると、攻め続けつつも点を決められない韓国代表のふがいなさを非難する声ばかりではなかったのでした。
それは、南北の両国がフェアに試合を戦ったこと、競技場の雰囲気が「敵対して争うのではなく、同じ道を歩いていこう」というメッセージに満ちていたこと、そんな雰囲気で生まれた一体感によって生まれた何かが、物足りないサッカー観戦を越えて、この日スタジアムに訪れた人の心に染み入ったからではないでしょうか。
南北の平和統一を願う、大きな統一旗がスタジアムに広がる 統一を願う小旗を配るブース

外国人も統一サポーター!!
競技場でアメリカ人の韓国サポーターを発見。話してみたところ、単に韓国を応援していたのではなく、両国の統一を願って訪れたそう。この中の1人は、「私の父はドイツからアメリカに来たんだけど、統一っていいものよ(ドイツは東西分裂国家だった、その経験談)。私は南北の統一を応援しながらあの大きな旗の下にいたの」と言っていました。

いつの日かきっと
競技場には、南北両国の国旗がはためいていました。あまりの長きに渡る南北分断ですが、このように両国の国旗が仲良く隣合わせに掲げられているのを見れば「いつの日かきっと南北が平和統一する日が来る」という希望を抱くことが出来るでしょう。
オリンピックやW杯など大きなスポーツイベントのたびに、南北両国で「統一チームを派遣しよう」という話題が挙がります。この記念すべき日をスタートに、2つも国旗を掲げなくて済む日が来ることを風になびく旗に願いました。そして、そもそもの気軽なサッカー観戦気分が良い意味で裏切られたことを痛快に思いながら、帰途へと着いたのでした。

韓国旅行おトク情報
  最終更新日:08.06.24
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