|
ワールドカップ日本戦観戦イベントによせて |
朝日新聞ソウル支局特派員
神谷毅 |
私が勤める会社の事務所は、ソウルの光化門、東亜日報メディアセンターにある。ビルの側壁に大きな壁画が掲げられ、そこでは今まさにボールをゴールに蹴り込まんとする巨大な朴智星が踊る。露店があちこちに顔を出し、韓国代表チームの応援Tシャツを並べている。交差点に面したビルにぶらさがる、いくつもの大型スクリーンから流れるのは、ワールドカップにちなんだ企業のCMだ。もうすぐ、ソウルの街角が深紅に染まる。 |
|
日本が入ったグループFには、誰もが優勝候補の筆頭に挙げるブラジルがいる。今度のセレソンは、サッカーという宇宙を新しく創造してくれそうなほど魅惑的なタレントがそろう。ロナウド、アドリアーノ、カカ、そして魔術師ロナウジーニョ。クロアチアも、海外リーグで活躍する選手の多いオーストラリアも、日本とともに2位での予選通過を狙う。日本はテクニックや身体能力では及ばないにしても、組織的なプレスと最大の武器であるセットプレーでゴールを奪ってほしい。こうした大きな大会ではシンデレラ・ボーイの誕生も鍵を握るだろう。電撃的に代表入りした巻が、かき回してくれそうな予感がする。 |
|
韓国のグループGは、02年大会で1ゴールも奪えなかったフランスがリベンジに燃える。ジダンやテュラムらベテランが代表に復帰。今回も世代交代の失敗がとやかくいわれるが、若手との融合が成れば、かつての輝きが戻るはずだ。韓国は、朴智星や李天秀、李栄杓を中心に、朴主永や金珍圭ら若手も台頭し、個々の能力は02年大会より高そうだ。ただ、守備に洪明甫のような大きな柱がいないことが、一抹の不安材料であるかもしれない。 |
|
そして、これはまったく個人的な関心だが、72年生まれで私と「同期」たちにも目が離せない。フランスのジダン、ポルトガルのフィーゴ、チェコのネドベド。ピッチで、彼らは決して若くない。それぞれ一度は代表から退いたが、国やチームの同僚、家族らの思いを背に、そしておそらく最後の大舞台であるという決意を胸に、再び代表のユニフォームをまとった。だが、悲壮感ただようプレーは見たくない。サッカーにおける「至上の世界」を演出する役回り、スペクタクルなサッカーで世界中を魅了する大仕事が、彼らにはまだ残っている。
02年の日韓大会では、日本人も韓国代表チームの大躍進に喝采した。そして06年。私たちは韓国にいる。二つの代表に心を熱くできるという「特権」を与えられたようなものだ。緑のピッチを縦横無尽に「青」と「赤」が疾走する姿に、心ゆくまで胸を躍らせよう。
(※イベントに合わせて特別寄稿いただきました。) |
|
ワールドカップ日本戦
観戦イベント in ソウル |
|
6月12日(月) 日本 VS オーストラリア 入場20:00~(22:00
キックオフ)
6月18日(日) 日本 VS クロアチア 入場20:00~(22:00 キックオフ) 入場料:無料(ビールまたはジュース1杯
サービス) 会 場:ソウル明洞 バー「MILLER TIME」1~2階(300席)
会 場:地下鉄2号線 乙支路入口(ウルチロイック)駅5番出口
徒歩1分
会 場:外換銀行本店向かい
|
|
|