弘大・延南洞の「ドンジン市場」の外側にあるキムパッ店が気になります。外観は普通なのですが、メニューに「ミョンランキムパッ 4000」というのがあるのです。
ミョンラン。タラコ、または明太子です。日本のおにぎりや巻き寿司の具材としては一般的ですが、韓国のキムパッ店ではあまり見ません。
貼り紙が多くて店内がよく見えないのですが、きょう、勇気を出して入ってみました。中年の女性店主は、携帯電話で英語のようなものを話しています。さすがトレンドスポットの延南洞、キムパッ店も国際的です。
4~5人で満席になる、小さな店です。持ち帰りかと訊かれたので、「ミョンランキムパッ、ここで食べていきます」と注文して着席。
各席には黒い陶製の丸い盆が置かれ、カウンターの隅には作家製らしき渋い陶器の皿が積まれています。麦茶かトウモロコシ茶だと思って飲んだお茶がミント風味だったのにも驚きましたが、茶碗が何だか和風なのも不思議です。
待つこと6~7分で「ミョンランキムパッ」が出てきました。断面の外観と味を見るに、「ミョンラン」は明太子でなく、焼きタラコです。他の具材は青菜、刻みカニカマ、味付け控えめのゴボウと大根(たぶん)、卵焼きです。
なぜか「オモニの味だな・・・」との印象を受けました。私の両親は日本人で、母や祖母の料理は普通に日本味でした。なぜ「母親の味」だと思ったのでしょう。
会計中にふと出口を見ると、新聞記事が貼ってあります。さっきから気になっていたのですが、日本語で、写真は店主らしき女性です。近付いてみると「母親が日本人で、本人も京都生まれの陶芸家」の個展紹介記事でした(紙名部分は無かったですが、店主いわく『ヨミウリのキョウト』とのこと)。
私が日本語記事を「読んで」いる事に気付いた店主は「最近、この辺りに住む日本の方も増えて」「韓国語ができる方も多いですよね」と語っていましたが、彼女が日本語可なのかは訊き忘れました
渋い陶器に載ったオモニ味のキムパッ、延南洞にお越しの際はぜひお試しを。