「嫁の飯粒花」(며느리 밥풀꽃:ミョヌリ パップルコッ)という韓国の昔話があります。
ビンボーな家の嫁が、釜のフタに付着した(だったと思う)ご飯を数粒食べているのを姑に見つかり、「皆が空腹なのにお前ひとり飯を食うのか」と殴られて死亡。嫁の墓の周りには「ミョヌリ パップルコッ」という花が咲きました・・・という、コワい話です
さて、弘大エリアの「駐車場通り」近くを散歩中に「ミョヌリ パップルコッ」という韓国語の看板を発見。
その看板が掲げられた壁の後ろには、食堂のような建物がありました。
メニューの木札を見るに、汁もの、ビビンバ、チヂミなど出す韓国食堂ですが、一等地といえる場所にある店なのに、何だか古びた雰囲気です。
中の様子は見えません。が、旧正月前日ながらも、客らしき男性1名が出てきたので、営業中のようです。勇気を出して入ってみました。
店内には、ひとり客、若者2人連れなど、数組の客がいました。全員男性で、全員無言で牛肉スープ「ソコギクッパッ」らしきものを食べています。
入口のメニューには価格表示がありませんでしたが、まあ1万ウォン以下だろうと(6000ウォンでした)、私も「ソコギクッパッ」を注文。
暗い色の陶製のお碗(ちょっと欠けていたりする)に入ったスープも、おかずも、非常に地味です。
が、オモニの味というか、ミョヌリの味というか、「地味な美味」でした
スープは少々辛いながらも、柔らかい野菜と肉の味を損なうほどではなく、また、おかずの「ゴボウの炒め煮」が家庭的で良い感じでした。
厨房では、中年女性2名がせっせと正月の祭祀料理「ジョン(小型のチヂミ)」を作っていました。店で出すのか、注文販売でもしているのか、働き者で料理上手な嫁のようです。
次回訪ねるなら、この「ジョン」か、入口の木札メニューのひとつ「もち米スジェビ」を食べてみたいものです。